速度に関する境界条件では、境界面において指定の流速や流量での流入・流出を定義できます。 Velocity inlet あるいは Velocity outlet を設定する場合は、もう一方は 圧力境界である Pressure inlet あるいは Pressure outlet を設定してください。
図1: 速度境界と圧力境界
Velocity inlet & outlet
Velocity inlet (速度流入境界)
圧力は勾配がゼロとなるように計算されます。非圧縮性流れでは温度特性は不要ですが、圧縮性流れでは流入口での温度を指定する必要があります。乱流に関する値は Initial condition (初期条件) の設定値に合わせて設定されますので、入力は不要です。
外部流れの解析の場合は数値計算固有の影響を避けるために、Velocity inlet は対象物から上流側に十分に距離を取った面としてください。
Velocity outlet (速度流出境界)
静圧 (ゲージ圧) は速度プロファイルに合わせて計算されます。流入境界条件と同様に、全ての関連する値は勾配がゼロとなるように内部から計算されます。
設定の種類
流れの速度は以下の方法で指定できます。なお、解析タイプごとに利用できる設定方法は異なります。 Velocity type で変更できます。
- Fixed value (固定値)
- Mean value (平均値)
- Flow rate (流量)
- Mean flow rate (平均流量)
- Face normal value (法線値)
- Freestream (自由流れ)
各設定方法での設定値は、一定値あるいは関数・テーブル形式で空間・時間に依存する値として設定できます。以下では、それぞれの設定方法について説明します。
Fixed value
指定した面に対して、速度の大きさと方向を指定します。x, y, z方向の速度成分 Ux, Uy, Uz を指定してください。関数かテーブル形式で指定しない限り、指定した面全体で一定値となります。以下の図では、x方向に5m/sを指定しています。
図2: Fixed value の設定パネル
Mean value
指定した面における流速の平均値を指定します。この設定は、流れが均一になっているかが不明な流出口の設定としてよく用いられます。 Fixed value の場合と異なり、必ずしも面全体で一定値とはなりません。
Flow rate
流量を指定します。流入境界・流出境界のどちらでも使用できます。値は必ず正の値を入力してください。方向は、 inlet か outlet かの境界条件の種類によって決定されます。例えば、 Velocity inlet であれば領域ないに流れ込む方向、 Velocity outlet であれば流出する方向となります。
- 流入境界 (inlet) に設定する場合
- 入力された流量に基づいて境界条件が設定されます。 Mass flow rate (質量流量), Volumetric flow rate (体積流量) のいずれかで設定できます。Mass flow rate とした場合は Material で設定した密度が使用されます。流れの方向は境界面の法線方向になります。
- 流出境界 (outlet) に設定する場合
- 指定した Mass flow rate, Volumetric flow rate となるように圧力の勾配がソフトウェア内で決定されます。
図3: Flow rate の設定パネル
注意:
- 複数の面を指定した場合、それぞれの面に条件が適用されます。例えば、上図の設定では、各面に対して1 \(m^3/s\) の流量が指定されます。
- Simulation control で Potential flow initialization を有効にした場合には推奨されない設定方法です。
Mean flow rate
流入境界 (inlet) でのみ使用できます。Mass (質量) あるいは Volume (体積) で流量の平均値を指定します。値は正である必要があります。
Face normal value
流出境界 (outlet) でのみ使用できます。法線方向の平均流速を指定します。圧力勾配は指定した速度を達成するようにソフトウェア内で計算されます。値は必ず正としてください。
Freestream
2通りの可能性があります。
- 流れが解析領域から流れ出る場合には、勾配がゼロの条件が適用されます。
- それ以外の場合は、 Fixed velocity と同等の条件が適用されます。
流れの方向は入力値に従って決定されます。
境界面が対象の物体から遠く離れている場合に、流入境界として使用してください。速度に基づいて、流束を拘束するための勾配ゼロの条件に基づいて圧力が計算されます。
圧縮性流れの解析では、温度を指定する必要があります。乱流に関する値は、 Initial condition に基づいて決定されるので入力する必要はありません。