概要
Cavitation (キャビテーション)とは、局所圧力が液体の蒸気圧を下回ると、液体中に気泡や空洞が形成される現象です。(これはポンプ、油圧タービン、船舶のプロペラなどでよく見られます。キャビテーションについて詳しくはこちらのページをご覧ください。)その後の圧力上昇によって気泡が崩壊し、局所的な衝撃波が発生し以下のような影響を与えます:
- 磨耗や侵食によって装置を損傷させる。
- 騒音や振動の原因となる。
- BEP(最高効率点)と流量の低下を引き起こす。
SimScaleでは、Multi-purpose (多目的)シミュレーションにおいてキャビテーションをモデル化することができ、その実装はSingalらによるFull Cavitation Model[1]に基づいています。
SimScaleの質量分率一定キャビテーションモデルの特徴:
- 蒸気気泡の形成と崩壊をモデル化
- 非圧縮性気体の影響をモデル化
- 激しい曝気とキャビテーションに対応
- 自動収束ロジック
- 厳しい初期条件にも対応
Cavitation modelの有効化と物性の設定
キャビテーションは、下の画像のようにグローバル設定でCavitation modelをNoneからConstant gas mass fractionに変更するとオンに切り替えることができます:
キャビテーションがオンの場合、Material (物性値)設定には追加の入力が必要です。
設定項目
キャビテーションに関連する入力を以下に説明します:
- Vapor molecular weight (蒸気分子量): 流体の蒸気成分の分子量。
- Liquid bulk modulus (液体体積弾性率): 流体の液体成分の体積弾性率。
- Liquid reference pressure (液体基準圧力): 密度を計算するために使用します。
- Saturation pressure (飽和圧力): 蒸気と液体が平衡になる限界圧力。
- Liquid temperature (液体温度): 流体の液体成分のバルク温度。
キャビテーションのポスト処理
キャビテーションをオンに切り替えると、以下に示す結果のポスト処理で利用できるフィールドが追加されます:
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Vapor mass fraction (蒸気質量分率)のResidual (残差)が収束プロットに表示されます。
- Vapor mass fraction (蒸気質量分率)のResidual (残差)の低下は、キャビテーションモジュールの収束の指標となります。
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Total Gas Volume Fraction (総気体体積分率)の分布をカラーコンターで可視化することができ、領域内の気泡が存在する領域を確認できます。
- 言い換えれば、Total Gas Volume Fraction (総気体体積分率)を可視化することで、システム内のキャビテーションの位置と強さを特定することができます。
の表示。高い値(赤色に近い領域)はキャビテーションを示しています。