概要
Remote force (リモート荷重) 境界条件は、遠隔点から構造物の面(または面の集合)に力が加えられる条件を設定できます。この境界条件は、 Remote displacement (リモート変位) 境界条件に類似しています。
標準的な Force (力) 境界条件で可能なことに加えて、 Remote force 境界条件には次のような利点があります。
- 割り当てられたエンティティに変形動作を追加できる。
- モーメント荷重をかけることもできる。
また、いくつかの制限もあります。この境界条件は線形境界条件であるため、適用されるボディと遠隔点を含む領域では生じる変位と回転が微小な場合にのみ有効です。
設定項目
ワークベンチでの Remote force の設定パネルを示します。設定項目は以下の通りです。
図1: Remote force 境界条件の設定パネル
Force (力)
ユーザーは、グローバル座標のx, y, z方向について、作用する力を大きさを定義できます。各値は、スカラー値、関数、または表によって定義できます。関数または表データの場合、値は時間または空間座標に依存する値として設定できます。なお、 Harmonic 解析タイプ (周波数応答解析) の場合は、時間ではなく周波数に依る値として設定できます。
Moment (モーメント)
各回転方向について、ユーザーは割り当てられたジオメトリに適用されるモーメント(トルク)を定義できます。入力方法と可能な依存関係は、力の場合と同様に、x軸、y軸、z軸それぞれ周りのモーメントを設定できます。
図2:梁面の重心に位置する遠隔点の一般的な力とモーメント(トルク)成分
Remote point (リモートポイント)
力とモーメントが適用される外部点の座標を定義します。座標は領域のグローバル座標系で与えられます。
配管等円筒・円環形状にトルクを作用させたい場合、のアイコンをクリックすると選択面の中心座標を選択できるので便利です。
Deformation behavior (変形挙動)
この項目は、適用された関連エンティティ(エッジまたは面)が変形する可能性があるか、あるいは変形しない剛体であるかを定義します。
Deformable に設定すると、変位の拘束は生じません。リモートポイントは、リモートポイントの力が割り当てられたエンティティの重心までの距離に比例して節点に分配されるように接続されます。なお、これをRBE3拘束と呼びます。
Undeformable に設定すると、エンティティは剛体として振る舞います。つまり、ポイントとエンティティの接続は、節点間で相対変位が生じないよう多点拘束され、塊として扱います。
Enable search radius (半径内領域の探索を有効にする)
Enable search radius のトグルをオンにすることで、この境界条件が作用する節点の範囲を制限できます。
有効になっている場合、定義した遠隔点を中心とし、 Radius で指定した半径の球に含まれる節点へのみ Remote force 境界条件が影響を及ぼします。

例
以下は、 Remote force 境界条件を受ける構造物のフォンミーゼス応力のコンター図です。
図4:遠隔点への荷重による変形形状と応力コンター図
| ヒント |
| Deformable を設定し、割り当てられたエンティティの節点数が大きい場合(1000以上)、 Multfront ソルバーはこの種の問題には適さないので、 Multfront の代わりに MUMPS または PETSC のいずれかを使用することをお勧めします。なお、ソルバーはシミュレーションツリーの Numerics より設定できます。 |
バリデーションケース
詳しくは以下の検証事例をご参照ください。