概要
2つのボディが少なくとも1つの共通の境界を共有し、その境界が特定の関係で拘束されている(つまり相対的な移動がない)場合に接触あるいは結合しているといいます。
構造シミュレーションの場合、アセンブリ内の複数の部品は、複数の非適合メッシュ部品に離散化されます。つまり、ボディごとにメッシュ生成アルゴリズムによって別々にメッシュ化され、接触面上にある節点は共有されず、接続されません。パーツ間の機械的相互作用を生じさせるために、自由度の適切な結合を作成する接触拘束を設定する必要があります。
| 注意 |
| SimScaleにおいて、シミュレーションツリーの Contacts では異なるボディ間の拘束を定義する線形の接触条件を設定します。この設定は、他のソフトウェアでは結合と呼ばれることもあります。ボディ同士が触れたり離れたりする場合や摩擦を考慮する場合は Physical contacts で設定します。 |
Automatic contact detection (自動接触検出)
新しいCADアセンブリがシミュレーションに割り当てられると、ジオメトリ内の接触が自動的に検出されます。デフォルトでは、アセンブリ内のすべての接触は ボンド接触として作成されます。
接触の検出は、シミュレーションツリーの Contacts +ボタンをクリックし、 Automatic contact detection をクリックして開始することもできます。
接触の検出中は、シミュレーションツリーの Contacts は ロックされます。接触の検出に要する時間は、ジオメトリのサイズと複雑さによって異なり、数秒から数分かかります。コンタクトツリーのロードインジケータは、接触検出が進行中であることを示します。
接触設定の一括選択
作成された接触の設定は、シミュレーションツリーの Contacts 配下にリスト表示されます。
アセンブリのサイズや複雑さによっては、作成される接触の数が非常に多くなることがあります。一括選択機能を用いると、複数の接触設定を一度に編集できます。一括選択パネルでは、割り当て以外のすべての接触オプションを編集できます。
接触設定を一括で選択するには、接触設定のリストで CTRL + クリック 、または SHIFT + クリック するか、ビューアでジオメトリを選択した状態で右クリックメニューから「 filter contacts by selection (選択による接触のフィルタリング)」を使用します。 filter contacts by selection 機能は、現在の選択に基づいて接触設定を表示します。選択の状況に応じて、以下のように作用します。
- 1つのボディを選択:
- 選択したボディの少なくとも1つの面が含まれるすべての接触が選択されます。
- 2つ以上のボディを選択:
- 2つ以上の選択されたボディのうち、少なくとも1つの面を含むすべての接触が選択されます。
- 1つのボディの1つまたは複数の面を選択:
- 選択された面の少なくとも1つを含むすべての接触が選択されます。
- 複数のボディにまたがる複数の面を選択:
- 2つ以上のボディから選択された面のうち、少なくとも1つの面を含むすべての接触が選択されます。
線形接触の種類
現在、3 種類の接触拘束があります。
- Bonded contact (ボンド接触)
- Sliding contact (スライド接触)
- Cyclic symmetry (軸対称)
Bonded contact (ボンド接触)
Bonded contact (ボンド接触)は、接する2つのボディ間の相対変位を許容しないタイプの接触です。このタイプの接触拘束は、アセンブリの異なる部品を接着あるいは結合するために使用されます。
設定パネルを以下に示します。
- Position tolerance: 位置公差を手動で設定するか、オフにすることができます。
- 位置公差は、任意のスレーブ節点と、最も近いマスター面に最も近い点との間の距離を定義します。
- Set value の場合:
- マスター面から定義された範囲内にあるスレーブ節点のみが拘束されます。範囲は Tolerance で入力します。
- Off の場合:
- すべてのスレーブ節点はマスター面に絶対的に拘束されます。したがって、より大きな面をマスターとして使用した場合、1つのスレーブ節点が複数のマスター節点に拘束されることになり、スレーブ面の剛性が計算上は高くなります。
- Master assignment / Slave assignment: 接触面を割り当てます。
- Pick Faces と表示される2つの割り当てボックスで、結合する面または面のセットを割り当てます。数値計算上の理由から、接触面のうち1つを Master (マスター)、もう1つを Slave (スレーブ) として選択する必要があります。計算中、スレーブとした節点の自由度はマスターとした面に拘束されます。
| 注意 |
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より大きな面 (またはより高いメッシュ密度の面)をスレーブとして選択した場合、計算時間が大幅に増加し、特に特定の公差基準が提供されていない場合、間違った解になる可能性があります。 |
Sliding contact (スライド接触)
Sliding contact (スライド接触)では、接触面の接線方向の変位は許容されますが、法線方向の相対移動は許容されません。このタイプの接触拘束は、線形解析でアセンブリ内のパーツのスライド移動を表現するために使用されます。接触している2つの面はマスターとスレーブに分類されます。スレーブ面の各節点ド(スレーブ節点)は、拘束によってマスター面の節点(マスター節点)に結びつけられます。
設定パネルを示します。設定項目は基本的には Bonded contact (ボンド接触) と同様です。計算中、スレーブ節点の自由度はマスター面に拘束され、接線方向の移動のみが許可されます。
| 注意 |
| スライド接触は、平面上のスライドを意図した線形拘束です。したがって、スライド面の近傍では大きな変位や回転は許されません。つまり、この拘束は非線形解析には適していません。 |
Cyclic symmetry (軸対象)
Cyclic symmetry (軸対象) 制約を持ちると、360°の周期的な構造の一部分のみをモデル化して計算でき、計算時間とメモリ消費量を大幅に削減します。
設定項目は以下の通りです。
- Axis origin: 軸対象の中心軸が通る点の座標
- Axis direction: 軸の方向ベクトルをXYZ成分で入力
- Sector angle (セクター角): モデル化範囲の角度
- 度単位で指定する必要があります。角度の有効範囲は 0°~180°で、360°を整数で割った値のみが有効です。
- Master assignment / Slave assignment: 周期的となる境界面を選択
- 軸方向に対して、スレーブ面→マスター面 の方向が右手の法則に従うように設定してください。
回転軸とセクター角を明示的に定義する必要があります。軸は軸原点と 軸方向によって定義されます。 軸の方向とセクター角の定義は、スレーブ面からマスター面に向かう回転を定義するような、右手の法則に従う必要があります。以下の例を示します。
Cyclic symmetry (軸対象) により、マスター面の変形をスレーブ面にマッピングし、セクター回転を通して変形させられます。ただし、これにより周期的な挙動を考慮できますが、半径方向、接線方向、軸方向のボディは拘束されません。剛体運動を防ぐために、適切な拘束を追加する必要があります。
| 重要な情報 |
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最終更新日2022年6月13日