この記事では、混相流シミュレーションの実行に時間がかかる理由と、混相流シミュレーションのセットアップを最適化するためのベストプラクティスについて説明します。
クーラン数
混相流解析の実行時間の背景には、その過渡的な性質があります。シミュレーションのセットアップを最適化するためには、まず、その制限を理解する必要があります。
すべての非定常解析は、 CFL条件としても知られるCourant-Friedrichs-Lewy条件によって時間ステップサイズが制限されます。安定性を目的とする場合、CFL条件は次のようになります:
$$C = \frac{u\Delta t}{\Delta x} \le 1 \tag{1}$$
ここで、\(C\) はクーラン数、\(u\) は与えられたセルでの局所速度、\(\Delta t\) は秒単位のタイムステップサイズ、\(\Delta x\) はメッシュ要素間の局所長です。
図1はCFL条件を視覚的に表したものです。それぞれの正方形はドメイン内のメッシュセルを表し、矢印はタイムステップ中の粒子の移動距離を表しています。CFL条件を満たすためには、タイムステップ中に粒子がメッシュセルを完全にスキップしてはいけません:
したがって、混相流解析のセットアップの主な目的は、クーラン数が1以下となる範囲で、できる限り大きな時間ステップを使用することです。
対応法
要件がわかったところで、それを効果的に満たすためにシミュレーションの設定で何ができるでしょうか?式1を見ると、より大きなメッシュセルを使用することで、クーラン数を制御しながらタイムステップサイズを大きくできることがわかります。
実際、非常に最適化された粗い六面体メッシュを作成することが、タイムステップサイズを増加させる最も効率的な方法です。費用対効果の高い混相流解析を実行するためのベストプラクティスを以下に示します:
- CADモデルを簡素化し、結果に影響を与えない小さな面や詳細を削除します。詳細はこちらのページをご覧ください。
- バッフル壁やインペラなど、モデル内に薄い部品がある場合は、それらを厚くします。これにより、より粗いセルを使用してジオメトリをキャプチャできます。
- ヘクスドミナント(パラメトリック) (英語) メッシュ生成ツールを使用して、形状に最適なメッシュを作成します。この記事では 、混相流解析のメッシュに関する洞察を提供します。
- Simulation control 設定で、 Adjustable time step (時間ステップの調整)がTrueに設定されていることを確認します。
さらに、 Maximal Courant number (最大クーラン数)と Max alpha co (二相流の界面における流速に基づくクーラン数の許容値)に 0.7を定義することは、実行時間と安定性の良い妥結点です。各Simulation control設定の目的については、こちらのページをご覧ください。
- 最後に、式1を使用して、各反復の時間ステップサイズを推定します。この数値を念頭に置いて、各反復の計算に時間がかかることを考慮し、シミュレーションのEnd timeに適切な値を設定します。