概要
この章ではHex-dominant parametric (OpenFOAM®のsnappyHexMesh)の詳細設定について簡単に説明します。これらの設定は通常ユーザが変更する必要はなく、デフォルトで推奨値に設定されています。
Castellated mesh controls
以下のパラメータは細分化プロセスに関連しています。つまりBackground Mesh Boxの分割と細分化で生成されるセルの数です。
Max local cells (プロセッサあたりの最大セル数)
細分化フェーズにおけるプロセッサあたりの最大セル数を指定します。ローカルセル数がいずれかのプロセッサのMax local cellsより大きい場合、アルゴリズムは細分化の後にバランシングを行う方法(現在の方法)から、細分化の前にバランシングを行う方法(重み付け)に切り替わります。
| 重要 |
| 最適値は300万~500万セルです。 |
Max global cells (グローバルセルの最大数)
これは、細部化フェーズにおける全体のセル数の最大値を指定します。細分化中の全体のセル数がこの数を超えると、細分化プロセスは即座に終了します。この場合、設定していた細分化レベルまでの細分化が完了しない可能性があります。
| 重要 |
| これは キャステレーションメッシュステップでの セル削除前のセル数です。最終的なセル数はこれより少なくなる可能性があります。最適な値は1,000万から1,500万セルです。(予想される大きなメッシュサイズの場合、より高いプロセッサ(より高いRAM)を持つメッシュ生成ジョブを選択する必要があります。 |
Min refinement cells (細分化終了のセル数制限)
細分化フェーズでの最小セル数を指定します。例えば、Surface refinementアルゴリズムはいくつかのセルの細分化に多くの反復を費やすかもしれません。この設定により、細分化されるセルが指定された値より少ない場合、細分化は停止します。
| 注意 |
| 細分化されるセルの数亜g0でない限り、少なくとも1回の反復が行われます。 |
Max load unbalance (最大プロセッサ負荷の設定)
並列メッシュ処理におけるプロセッサの最大アンバランスを指定します。0を指定すると常にバランスをとるようになります。
Cells between levels (細分化レベル間のバッファセル数)
異なる細分化レベル間のバッファボリュームメッシュセル層の数を指定します。例として1を設定するとは、異なる細分化レベルの間に中間セル層を1つだけ追加することを意味します。5のような大きな値を指定すると、より多くの中間セル層が追加され、細分化レベルの違いを徐々に緩衝しますが、メッシュサイズに大きく影響します。
下図は、 Cells between levelsを1と3に設定した場合の、オブジェクト周辺のボリュームメッシュの違いを示しています。
| 重要 |
| 特に理由がない場合、Cells between levelsは3を推奨します。 |
Resolve feature angle (フィーチャー検出の最小角度)
最大レベルまで細分化する際のフィーチャー角度を指定します。面の最小細分化レベルと最大細分化レベルが異なる場合に使用します。メッシュ生成アルゴリズムは、交点がResolve feature angleの値を超えるセルに最大細分化レベルを適用します。この角度以下のすべてのフィーチャは、最小細部なkレベルで適用されます。
Allow free standing zone faces
このオプションは、(Surface refinementで指定された)面ゾーンが対応するセルゾーンの境界のみにあるか、または自立したゾーン面も許可するかを選択します。面ゾーンがない場合は使用しません。
Snap controls
スナップ処理は、メッシュとオブジェクト面間の反復回数とスナップポイント検索の最大相対距離(許容範囲)を制御する以下のパラメータによって制御されます。
Mesh to geometry conformation iterations (メッシュとジオメトリの構造反復回数)
メッシュをジオメトリ面に適合させるためのスムージングの反復回数を指定します。値を大きくすると、スナップが良くなり、メッシュが滑らかになりますが、時間がかかります。
| 重要 |
| より良いスムーズなスナップを行うには 5 を推奨します。 |
Tolerance (スナップポイント検索の最大相対距離)
これはアルゴリズムがスナップするポイントを検索する相対距離を指定します。最小値 1 が必要であ り 、それより大きい値にするとスナップがよくなります。
| 重要 |
| スナッピング性を向上させるには、2~5の値を推奨します。 |
Solver iterations (メッシュ生成アルゴリズムの最大反復回数)
スナッピングアルゴリズム全体の反復回数を指定します。値を大きくするとメッシュの品質が向上し、等距離メッシュになりますが、メッシュ作成時間が長くなります。
| 重要 |
| この値は300を推奨します。 |
Relax iterations (不良セル除去の最大反復数)
これは不良セルまたはメッシュポイントを除去するための最大緩和反復回数を指定します。指定された回数の反復が終わると、メッシュにまだ不良セルが残っていても、緩和処理は即座に停止します。したがって、値を大きくするとメッシュの品質は向上しますが、時間がかかります。
| 重要 |
| この値は5-8の間の値をお勧めします。 |
Max mesh conformation iteration (メッシュコンフォーメーションの最大反復数)
メッシュ点を面に引き付け、鋭利なエッジを避けるための、メインスナッピング反復処理の反復回数を指定します。これは キャステレーションメッシュステップで抽出されたフィーチャーエッジを使用して行われます。
Implicit feature snap (スナップのための非明示的フィーチャー検出)
非明示的手法では、ユーザがフィーチャーを抽出する必要はありません。その代わりに、Feature angleを使用して、ジオメトリの折り目などのサーフェスジオメトリフィーチャーを識別します。前のメソッドで明示的に提供されたエッジジオメトリに直接スナップするのではなく、非明示的メソッドはローカルのサーフェストポロジーから計算されたフィーチャーの表現にスナップします。
Explicit feature snap (スナップのための明示的フィーチャー検出)
このメソッドでは、 メッシュ細分化の 下に Feature refinementを追加して、スナップ用のフィーチャー抽出を指定することができます。このメソッドでは、同一平面上にある境界パッチ間の交差を表すスナップフィーチャーを扱うことができます。
OPENFOAM®公式サイトより明示的方法は、より大きな制御を提供します。これは経験上、フィーチャーの形状をわずかに改善します。一方、非明示的方法は完全に自動化されているという利点があります。
Detect features between multiple surfaces (複数面間のフィーチャー検出)
流体領域とソリッド領域など、複数の領域を持つメッシュに関連します。
Layer adding controls
Layer size (レイヤーに相対サイズの使用)
レイヤーパラメータ(主に最終レイヤー厚さと最小レイヤー厚さ )の定義方法を指定します:
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- True : レイヤーパラメータは、面に最も近いボリュームメッシュセルサイズからの相対値です。この場合、値は指定された値とレイヤー外のセルサイズの積になります。
- False : レイヤーパラメータは絶対単位(メートルなど)で直接定義されます。
| Bounding box layer additionの設定 |
Expansion ratio (レイヤーのセル厚さの拡大率)連続するレイヤーの成長を指定します。値が大きいほど、レイヤーの高さの差が大きくなります。このデフォルト値はHex-dominant parametricの主な設定の Layer refinementで上書きされます。 Final thickness (最終レイヤーの厚さ)面から最も遠いレイヤーの高さ(厚さ)を指定します。このデフォルト値は、 Hex-dominant parametricの主な設定 のLayer refinementで上書きされます。 Min thickness (レイヤー全体の最小厚さ)すべてのレイヤーの厚さの最小値を指定します。この値はすべてのレイヤーの合計厚さより小さくなければなりません。そうでない場合はレイヤーは生成されません。このデフォルト値は Hex-dominant parametricの主な設定のLayer refinementで上書きされます。 |
Max cancelled layers near sharp features (シャープなフィーチャーの近くでキャンセルされるレイヤーの最大数)
成長させない連結面のレイヤー数を指定します。これにより、フィーチャーの近くでレイヤー追加プロセスを収束させることができます。
Feature angle (レイヤー生成の最大面角度)
面が押し出されず、レイヤーが生成されない角度を指定します。レイヤー追加に失敗した場合に確認する重要なパラメータです。
下図は、 Feature Angle が60度と180度の場合のレイヤー生成の違いを示しています。
| 重要 |
| コーナーエッジでレイヤーを成長させるには、最適値180以上を推奨します。 |
Slip feature angle (レイヤー生成のためのスリップ最大面角度)
レイヤーを追加するパッチと、その隣のパッチとの間で、滑りが発生する角度を指定します。したがって、押し出し方向が Slip feature angle よりも大きい角度になる場合、メッシュがスリップします。
| 重要 |
| レイヤーのスライディングを制限するために、70-80の間の最適な値を推奨します。 |
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Relax iterations (不良セル除去の最大反復回数): レイヤーのスナップ処理でメッシュが緩和スクリプトを実行する回数を指定します。指定された値の後は、メッシュに不良セルがあっても処理は停止します。
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Surface normals max smoothing iterations (面法線の最大スムージング回数): レイヤーの押し出しのために面法線を滑らかにする反復回数を指定します。値が大きいほどレイヤーの押し出しがうまくなります。
- Internal mesh max smoothing iterations (内部メッシュの最大スムージング反復回数): 内部メッシュの移動方向の反復回数を指定します。値を高くするとメッシュは良くなりますが、仕上げ時間が長くなります。3が推奨されます。
- Layer thickness max smoothing iterations (レイヤー厚さの最大スムージング反復回数): 異なる面パッチで全体のレイヤーの厚みを滑らかにするための反復回数を指定します。
- Max face thickness ratio (レイヤーの最大アスペクト比): アスペクト比の最大許容値を指定します。コーナーなどではレイヤーは高度にゆがんだセル上に生成されなければなりません。アスペクト比がこの値より大きいセルではレイヤー生成は停止します。
- Max thickness to medial ratio (レイヤーの厚さと長さの最大比率): これは厚さと内側距離の最大比率を指定します。この比率が指定値より大きい場合、レイヤーの成長は減少します。
- Min median axis angle (内側長さの抽出の制限): 内側軸の点をピックアップする際の角度を指定します。
- Buffer cells between refinement levels (レイヤーが終了する面のバッファセル数): レイヤーの終了に使用するバッファセルの数を指定します。
- Layer addition max iterations (レイヤー追加の反復回数): レイヤー追加アルゴリズム全体の反復回数を指定します。たとえメッシュに不良セルがあったとしても、アルゴリズムは指定された値の後すぐに停止します。50-60の値を推奨します。
- Max iterations with strict quality control (最大反復回数の厳密な制御): 緩和されたメッシュ品質制御が使用される最大反復回数を指定します。 Max iterations with strict quality controlの値までは、アルゴリズムはメッシュ品質制御の設定を使用し、それ以降は緩和されたメッシュ品質制御の値を使用します。
免責事項
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