アセンブリから放射されるサウンドエミッション(音響放射)レベルは、特定の領域において重要な設計要素となります。SimScaleを使用した Harmonic (周波数応答解析)では、 Result controlにおける等価放射パワー(ERP)を設定することにより、アセンブリからの音響放射を得ることができます。
概要
等価放射パワー(ERP)は、高調波加振下での部品の音響放射の推定値です。ERPは設計の初期段階で、最も高く放射される周波数と部品を把握するために使用されます。
ERP は通常、周波数範囲にわたるERPのグラフとして評価されます。
上の画像は、特定の面において様々な周波数で計算された相対ERPの結果を示しています。以下のResut controlにて、いくつかの設定オプションがあります。
Result control設定
ERP結果出力には2つのオプションがあります:
-
Solution fields - ERP density (ERP密度): このオプションでは、アセンブリ全体の音響放射分布を提供します。事前にSolution fieldsにERP densityを追加することで、ポストプロセッサにてERP密度コンターを作成し、シミュレーションの実行終了後に分析することができます。
Area calculation - Equivalent radiated power(等価放射パワー):ユーザーは特定の面を割り当て、 「Relative:相対」または「Absolute:絶対」データを要求することができます。
シミュレーションの実行が終了すると、指定した面における計算結果が表示されます。
Relative(相対)値を要求する場合、セットアップウィンドウでERP基準値を定義できます。このページの図1に、複数の周波数にわたる相対ERP出力の例が示されています。
ERPの定式化
このセクションでは、SimScaleのERPに関係する各結果制御オプションの計算式について説明します。
ERP density(ERP密度)
ERP密度は以下の式 1 で計算されます:
$$ ERP_\rho = \frac{1}{2}\rho c Re [v_n \cdot \overline{v}_n] \tag{1} $$
ここで
\(\rho\) :空気密度
\(c\) :空気中の音速
\(Re\) :複素数の実数部
\(v_n\) :表面法線速度
\(\overline{v}_n\) :表面法線速度の共役複素数
絶対ERP
絶対ERPの値を面積で計算する場合は、以下の式 2 を用います:
$$ ERP_{abs} = \int_S{ERP_\rho dS} = \frac{1}{2}\rho c \int_S{Re [v_n \cdot \overline{v}_n]} dS \tag{2} $$
ここで\(\int_S {dS}\) は、割り当てられた表面\(S\) の積分値を表します。
相対ERP
最後に、相対 ERP を面積で計算する場合における計算式を以下の式 3 に示します:
$$ ERP_{rel} = 10 log_{10} \left(\frac{ERP_{abs}}{ERP_{ref}}\right) \tag {3} $$
ここで、\(ERP_{ref}\) は基準値で、例えば、\(10^{-12}\) \([W]\) です。