概要
Natural Convection Inlet & Outlet (自然対流の入口/出口)境界条件はSimScale独自のもので、外部環境に対して開放された境界面を表現するために使用され、流体の出入りの両方を可能にします。
例えば、この境界条件タイプは、部屋をモデル化する際に、窓が開いている場合に使用できます。
図1は実際の倉庫を示し、排気口(上)と入口ドアで自然対流が起きている場所が青くハイライトされています。
これらのサーフェスは、純粋な流入口、流出口としては定義されません。それらは局所的な流体条件によって(部分的または全体的に)どちらかの振る舞いをします。その結果、再循環や渦はこれらのパッチ(区画)で許容され、常にドメイン全体の連続の方程式に従います。
ワークベンチでの定義
Natural Convection Inlet & Outlet (自然対流の入口/出口)境界条件は、以下の解析タイプで利用可能です:
- Convective Heat Transfer: 対流による熱伝達解析
- Conjugate Heat Transfer v2.0: 共役熱伝達解析
- Conjugate Heat Transfer (IBM): 埋め込み境界法を用いる共役熱伝達解析
この境界条件の設定項目は、解析タイプや圧縮性/非圧縮性 (グローバル設定における Compressible 機能の利用) によって変わります。
Convective Heat Transfer (対流熱伝達)
Incompressible (非圧縮性)
Incompressible (非圧縮性)流れシミュレーションの場合、Natural Convection Inlet & Outlet (自然対流の入口/出口)境界条件の設定パネルは以下のようになります:
参照する圧力の値はユーザーが明示的に定義することはできず、Initial conditions (初期条件)から取得されます。
Compressible (圧縮性)
Compressible (圧縮性)流体シミュレーションの場合、ユーザーはAmbient pressureで絶対圧を定義する必要があります。
Conjugate heat transfer (共役熱伝達)
Conjugate heat transfer (共役熱伝達)シミュレーションでは、上記の図 3 と同様に、ユーザーは周囲圧力と全絶対圧を定義する必要があります。
Conjugate Heat Transfer v2.0 (共役熱伝達v2.0)とImmersed Boundary(埋め込み境界)
Incompressible (非圧縮性)
Conjugate Heat Transfer v2.0 (共役熱伝達v2.0)とImmersed Boundary (埋め込み境界)ソルバーを含むIncompressible (非圧縮性)流れシミュレーションでは、ユーザーはAmbient pressureでゲージ圧を定義する必要があります。
Compressible (圧縮性)
Conjugate Heat Transfer v2.0 (共役熱伝達v2.0)とImmersed Boundary (埋め込み境界)ソルバーを含むCompressible (圧縮性)流れシミュレーションでは、図3のようにAmbient pressureで絶対圧を定義する必要があります。
数値計算上の取り扱い
数値計算上では、この条件が運用されるとき、各流体変数に適用される境界条件は次のようになります:
- Velocity (速度): 常に勾配がゼロであり、接線速度のゼロ値と組み合わされます。流出には標準的な条件ですが、流入の法線速度は局所の条件によって計算されます。
-
Pressure (圧力): Ambient Pressureは以下のように定義される表面で設定することができます。
- 局所速度ベクトルがドメイン内を向いているときの絶対圧
- 局所速度ベクトルがドメイン外を向いているときの静圧
このようにすることで、Multi-purpose(多目的)およびIncompressible(非圧縮性)の環境においても遠遠方の静圧を指定することができます。これはベルヌーイの定理がMulti-purpose(多目的)およびIncompressible(非圧縮性)のケースで満たされるためです。例えば、窓を定義する場合、ここで外気の大気圧を指定することができます。
- Temperature (温度): 温度は流出口/流入口の挙動をします。これは、速度ベクトルがドメイン外を向くとゼロ勾配になり、ドメイン内を向くと固定値に切り替わることを意味しています。この固定値は図1でAmbient temperatureとして指定する値です。
- Turbulent variables (乱流変数): \(k\)、\(\epsilon\)、\(\omega\)などの乱流変数も流出口/流入口と同じ挙動をします。固定値は各セルの初期値から取得されます。