解析タイプ:Conjugate heat transfer V2.0
このチュートリアルでは、最大温度要件を満たし、LEDの性能最適化することを目的として、LEDスポットライトの自然対流シミュレーションの設定方法を紹介します。
図1:LED周りの流線と温度分布
このチュートリアルでは、次のことを学びます。
- Conjugate heat transfer v2.0 ソルバーを使用した自然対流シミュレーションの条件設定
- 境界条件、材料、その他の特性の割り当て
- SimScale標準アルゴリズムによるメッシュ生成
以下の流れで進めていきます。
- シミュレーションのためのCADモデルを準備します。
- シミュレーションをセットアップします。
- メッシュを作成します。
- シミュレーションを実行し、結果を評価します。
LEDと熱:LEDを使用するアプリケーションでは、チップに発生する温度をコントロールすることが重要です。設計が不適切で温度が高い場合、LEDの寿命に悪影響を及ぼします。このチュートリアルでは、自然対流がLEDの冷却にどれだけ効果的であるかを解析します。
図2:LEDの隣の熱い空気が上昇することで周囲から冷たい空気を吸い込み、自然対流が発生しています。
1. CADモデルの準備と解析の種類の選択
最初のステップとして、下のリンクをクリックしてください。チュートリアルのプロジェクトが直接Workbenchにインポートされます。

図3:LEDスポットライトの1/4モデル
プロジェクトには2つのジオメトリが含まれていることに注意してください。最初のものはLEDスポットライトの完全な形状で、2番目のものは1/4モデルです。
Tips: LEDスポットライトのジオメトリの対称性を利用すると、解析を効率的に進めることができます。対称面に沿って流れが鏡面化されることが予想されるので、ジオメトリの1/4だけを使用します。これにより、以下のような利点が得られます。
- メッシュ処理とシミュレーション実行の高速化
- より細かいメッシュを使用可能
図 4:上面図、対称面(赤色)、およびこのチュートリアルで使用される 1/4 のジオメトリの拡大表示
1.1. CADモード
最初のCADジオメトリには、LEDスポットライトのパーツのみが含まれています。セットアップを開始する前に、外部流体領域を作成し、ジオメトリの接触面を定義する Imprint を実施します。
外部流路領域は、境界条件が結果に影響しないように十分な大きさにします。本チュートリアルでは。図5に示す流体領域の寸法に関する経験則に従って流体領域を作成します。
- 上:LEDスポットライトの高さの6倍
- 下:ジオメトリの高さの4倍
- 側面:ジオメトリの幅の8倍
図5:電子機器の自然対流における筐体寸法の経験則
必要な操作を行うために、以下のアイコンをクリックして、CADモード環境に入ります。

図6:CADモード環境では、流体領域の作成やジオメトリのインプリントなど、一連のCAD操作を実行することができます。
CADモードでは、External flow volumeを作成できます。図5の経験則に基づき、最小座標と最大座標を設定します。
- Externalを選択します。
- 流体領域の寸法を以下のように設定します。
- X min: 0 m
- Y min: -0.3 m
- Z min: 0 m
- X max: 0.25 m
- Y max: 0.4 m
- Z max: 0.25 m
- Applyを押します。

図7:LEDチュートリアルのためのExternal flow volumeの寸法
もう1つの重要なステップは、Imprintを実行することです。この LED ジオメトリでは、固体/固体間および固体/流体領域間の接触面が存在します。Imprint操作により、このような界面を自動で検出できるようにします。
以下の手順で操作します。

図8: Imprint操作により、自動接触検出が改善されます。
インプリントの実行が終了したら、Saveをクリックしてください。これにより、編集内容が保存されます。
1.2. シミュレーションツリーの作成
新しいジオメトリが Workbench にインポートされると、Copy of LED Spotlight - Quarter Geometry という名前になります。必要に応じて、新しいジオメトリの名前をいつでも変更できます。名前の変更を保存したら、Create Simulationをクリックします。
図9:新しいシミュレーションを開始する前に、新しいジオメトリの名前を自由に変更することができます。
解析タイプの選択画面が表示されます。リストからConjugate heat transfer v2.0を選択し、Create Simulationをクリックします。
図 10: 解析タイプの選択画面
エネルギー方程式を強連成した結果、Conjugate heat transfer v2.0は、従来のConjugate heat transferと比較して、収束速度が大幅に速くなります。
Tips: 選択する解析タイプは、どのような結果に興味があるか、どのようなパラメータが与えられているかによって異なります。
- Conjugate Heat Transfer(CHT または CHT v2.0)では、固体間および固体と流体間の熱伝達を解析できます。電子機器の冷却には、これが一般的な選択です。
- ソリッド内の熱伝導にのみ関心がある場合は、Heat Transferを選択することでシミュレーションを簡略化できます。
- 最後に、流体領域での熱伝導のみをシミュレー ションする場合は、Convective Heat Transferの解析が適しています。
シミュレーションを作成すると、左側のパネルにシミュレーションツリーが表示されます。シミュレーションを実行できるようにするには、すべての項目に緑のチェックマークが表示されるように設定していきます。ツリーの Contacts を見ると、合計64個のジオメトリ内のすべての接触面が自動的に検出されています。
グローバル設定は図11に示す通りにします。自然対流シミュレーションであるため、領域内の速度は小さく、Turbulence model は層流とする Laminar が適切であることがわかります。
図 11: 左側のパネルにシミュレーションツリーが表示されています。
Tips: 空気領域の温度勾配が小さい自然対流シミュレーションでは、浮力を考慮するためにブシネスク近似を使用することが一般的です.
図 11 の、Compressible をオフにすることで、ブシネスク近似を使用することができます。詳しくは、浮力に関するこちらのドキュメント(英語)をご覧ください。
2. 解析条件の設定
以下の章では、シミュレーションの物理的な設定をおこないます。
2.1. Model
Modelタブでは、重力の方向と大きさを定義することが可能です。
図 12: 重力の方向は、ビューアの右下にあるオリエンテーションキューブを見ながら設定します。
重力はy方向に-9.81 m/s2と設定してください。
2.2. Materials
共役熱伝達シミュレーションでは、固体と流体の両方の材料を定義する必要があります。まず、流体領域の設定について説明します。
重要: ドメイン内の各ボリュームには、1つの材料を割り当てる必要があります。1つのボリュームに複数の材料を割り当てたり、何も割り当てられていない部分を残すと、エラーになります。
2.2.1. 流体材料
流体材料を追加するには、Fluidの横にある+をクリックしてください。
図 13:新しい流体材料を追加する
流体材料ライブラリがポップアップ表示されます。リストからAirを選択し、Applyをクリックします。
図 14: 流体材料のライブラリ
このジオメトリには、2つの空気領域があります。1つは LED の内部、もう1つは外部流体領域です。右側のパネルを使用して、ボリュームを素早く選択することができます。
図15:右側のパネルを使用して材料を割り当てる
重要: このチュートリアルでは、空気のプロパティにデフォルト値を使用します。必要に応じて、図 15 の各値をクリックして編集することができます。カスタムマテリアルの使用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2.2.2. 固体材料
それでは、固体材料を追加しましょう。まず、図12のようにSolidsの横にある+をクリックします。今度は固体材料のライブラリが表示されます。その中から、回路基板の材料として一般的であるPVCを選択してください。
図16:固体材料のライブラリ
材料ライブラリには、PVCの一般的な特性が含まれています。このチュートリアルでは、PVCは回路基板に使用されるので、回路を考慮した材料特性を調整します。以下のように値を変更します。
- Thermal conductivityを2.5 W/m Kに設定します。
- Specific heatは1004 J/kg Kに設定します。
- Densityは1900 kg/m3に設定します。
- 最後に、画面右のシーンツリーに表示されているジオメトリの一覧から、Board を割り当てます。
図17:PVCのカスタムプロパティ フィールドをクリックして編集します。
残りの固体材料は全て初期設定のまま使用します。以下は材料とその割り当てるジオメトリ名の一覧です。PVCと同様にして各材料ごとにMaterialを作成し、パーツを割り当ててください。
- Aluminium: Core
- Brass: Connector Base
- Copper: Connector Pin
- Glass: Glass
- Silicon: 0.25 W Chip、0.5 W Chip、1 W Chip
2.3. Initial Conditions
CFD シミュレーションでは、予想される解に近いパラメータに初期設定することで収束を早められます。こうすることで、最終結果をより早く得られます。
このチュートリアルでは、温度と速度の初期化を変更します。
なお、SimScaleでは、パラメーターの初期化を定義する方法が2つあります。
- 領域全体:ドメイン全体のパラメータを同じ値で初期化します。
- Subdomain (サブ領域) の初期化:ドメイン内の特定の領域のパラメータを初期化します。
2.3.1. 温度
LED のジオメトリには 3 つのチップが含まれており、これらは発熱しています。設計の観点からは、チップの温度をコントロールすることが重要です。そうしないと、LED の寿命が短くなり、性能も低下します。
通常、チップの温度は約 100 ℃であるため、LED 部品を 75 ℃で初期化するのが適切な初期設定と考えられます。図18のように、サブドメインを使用した初期条件設定をします。
- Subdomainsの隣にある+をクリックして、新しいサブドメインを追加します。
- 初期化値として75 ℃を入力します。
図18:サブドメインによるLED部品の温度初期化
すべてのLEDパーツをこのサブドメインに割り当てたいと思います。Invert visible assignment機能を使用いると、複数パーツの選択を簡単に行えます。以下のように操作してください。
- Flow regionのボリュームを選択します。
- ビューア内で右クリックすると、オプションが表示されるウィンドウが表示されます。
- Invert visible assignmentをクリックします。これにより、選択を反転させることができ、選択されていなかった9つのボリュームを一気に選択できます。
図 19: Invert visible assignments 機能を使用して、8 つの LED ボリュームと内部フロー領域をすばやく選択する
2.3.2. 速度
LED の形状が高温であるため、自然対流によるプルームが発生します。そのため、LED 周辺の速度場を初期化することを強く推奨します。これにより、シミュレーションの収束率が高まります。
図 20: LED 形状上の自然対流プルーム
このチュートリアルでは、LED形状の形状に適したGeometry primitivesを使用して速度場を初期化します。図21は、その初期化手順を示しています。
図21: 速度に関するサブドメインの初期化
- Subdomainsの隣にある+をクリックして、新しいサブドメインを追加します。
- オリエンテーションキューブをで座標軸の向きを確認して、Uy (Y方向の速度) を0.05 m/sとします。
- Geometry primitivesの横の+をクリックして、Cylinderを選択します。
ここでウィンドウが開き、円柱の向きと寸法を定義することができます。LEDの形状より少し幅のある円柱を使用すると、良い結果が得られます。ここでは、図22の値を入力します。
図22: 速度初期化のためのシリンダー寸法
円柱のGeometry primitiveを保存すると、自動的にサブドメインに割り当てられます。
ヒント: 速度初期化の最適値はケースバイケースです。自然対流の解析では、0.05から0.2 m/sの間の速度で初期化すると、ほとんどのケースで非常に良い収束解が得られます。
2.4. Boundary Conditions
境界条件の定義については、図 23 のように設定します。対称面は対象境界、その他の上面・底面・側面は自然対流境界とします。
図 23: LED 形状に対する境界条件の概要
2.4.1. Natural Convection Inlet/Outlet
Natural Convection Inlet/Outletの境界条件は、SimScale独自のものです。この境界条件は流体の出入りを可能にするため、流れの挙動が明確でない場合に有効なオプションです。詳細情報については、このドキュメントページを参照してください。
新しい境界条件を作成するには、Boundary conditionsの隣にある+ボタンをクリックし、メニューから必要なタイプを選択します。
図24: SimScale Workbenchでの新しい境界条件の作成
図23を参考に、上面、底面、両側面にNatural convection inlet/outletの境界条件を設定します。
図25:境界を経由してドメインに入る流れは19.85 ºC になります。
2.4.2. Symmetry
図24のように、2つ目の境界条件を作成します。今回は Symmetry 条件を選択します。
図26: 対称境界条件の割り当て
部品ごとに分割された16面すべてに対称境界条件を適用することに注意してください。これは、図 27 に示すすべての面が含まれます。
図27: 対称面内のすべての面に対称境界条件を設定します
2.5. Advanced Concepts
ジオメトリには3つのチップが含まれており、これらはPower sourceとして定義します。図28に詳細を示します。チップごとに設定します。
図 28: LEDジオメトリの1/4には、0.25〜1 Wのチップが3つ含まれています。
SimScaleでは、2種類のPower sourcesがあります。
- Absolute power source:Wまたはbtu/sで定義します。
- Specific power source:W/m3またはbtu/s in3で定義します。
各チップの正確な熱流束が既に分かっているため、今回はAbsolute power sourceを選択します。
図 29 のように、Power sourceの条件を設定してください。
- Power sourcesの隣にある+をクリックします。
- Absolute power sourceを選択し、熱流束を1 Wに設定します。
- ワークベンチの右側のジオメトリパネルを使用して、この電源に1W Chipのボリュームを割り当てます。
図29: 新規のPower sourceを設定する
0.5W Chip と 0.25W Chip のそれぞれに対して、Power sourcesを新規に設定してください。上記と同じ手順で設定を行い、値は図28のようにします。
2.6. Numerics & Simulation Control
ほとんどのシミュレーションでNumerics はデフォルト設定で問題ありません。このチュートリアルでは、変更する必要はありません。
Simulation controlでは、シミュレーション計算を制御するパラメータを定義することができ、実行する反復回数やシミュレーション実行の最大ランタイムなどが設定できます。
以下のように設定を変更します。
- End timeを750 s、Write intervalを750に設定します。これらの設定により、反復計算の最終結果のみが出力されます。定常状態のシミュレーションではこうする設定は一般的です。
- Maximum runtimeを 3e+4 (30,000) sに変更します。
図30: End timeはシミュレーションで実行する反復回数を示します。
なお、定常状態のシミュレーションでは、、End timeとDelta tパラメータで、実行する反復回数が決定されます。Simulation controlの設定に関する注意点は流体解析: Simulation Control
2.7. Results Control
Results Controlでは、計算値の出力について設定できます。特に、収束状況を評価できるので、関心のあるパラメータに対して設定することが重要です。
LEDの熱シミュレーションの場合、チップの温度などが重要です。そのため今回は、Area averageでチップ表面の平均温度が収束しているか確認できるようにします。図 31 のように操作してください。
- Surface dataの隣にある+をクリックして、Area averageを作成します。
- Write intervalを5と定義します。この方法では、アルゴリズムは、定常状態のシミュレーションに十分である5回の反復ごとに面積の平均をプロットします。
- 面選択を容易にするために、Boardボリュームの横にある目のアイコンをクリックし、非表示にします。
- 1W Chipの上面を選択します。
図31: 選択した面のパラメーターの平均を出力します。
その後、同じ手順で 0.5 W Chip と 0.25 W Chip の上面について、 Area average の設定を作成してください。
3. Mesh
メッシュ作成には、Standardアルゴリズムの使用をお勧めします。Standard アルゴリズムで多くの形状に対して自動で良い結果が得られます。シミュレーションツリーの Mesh をクリックすると、設定パネルが表示されます。 Advanced settingsで、Gap refinement factorを3に設定してください。
図 32: Standardアルゴリズムの主な設定
CHTシミュレーションでは、ソリッドパーツの厚みが薄くなることがよくあります。このような小さな部品内の温度勾配を正しく評価するためには、板厚内で少なくとも2、3個分のメッシュが必要になります。Gap refinement factor を 3 にすることで、アルゴリズムはこういった薄い箇所や小さな隙間について少なくとも 3 つのメッシュを確保します。
図 33: LEDジオメトリの狭い隙間や薄い壁面
これらのメッシュ設定により、良好なメッシュを得ることができました。
以下では、対流によるプルームをより正確に捕捉するために、メッシュのRegion refinementの設定を紹介します。もし、region refinement を行わずに進めたい場合は、セクション 4 に進んでください。
| オプション:Region refinementの設定 |
|
自然対流のシミュレーションでは、高温部の上空に対流によるプルームが形成されます。このプルームをより正確にとらえるためには、その領域の周辺をより細かいメッシュにする必要があります。 図34: LED形状の上の自然対流によるプルーム Standardのアルゴリズムでプルームを捕らえるには、Region refinementが効果的です。Refinementsの隣にある+をクリックします。 図35: Region refinementの追加 開いた設定ウィンドウで、領域内のセルの最大エッジ長を定義することができます。図36では、その設定手順を示しています。 図36: Region refinementの設定
次に、Cartesian boxの寸法を定義します。プルームを意識して、以下の寸法を入力します。 図 37: プルームの解像度を上げるためのRegion refinementの寸法
最後のステップとして、以前に作成したRegion refinementに戻り、Cartesian Boxの割り当てをオンにします。 図38: Cartesian BoxをRegion Refinementに割り当てます これでregion refinementの設定は終了です。 |
| Conjugate Heat Transfer v2.0 のメッシュ |
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Conjugate Heat Transfer v2.0ソルバーは、コンフォーマルメッシュと呼ばれる特殊なメッシュを使用します。コンフォーマルメッシュでは、2つの部品の界面にあるセルの面が完全に一致するため、よりロバストなセットアップと高速な収束が可能になります。 図 39: ノンコンフォーマルメッシュ(左)とコンフォーマルメッシュ(右)の比較 このため、他の解析タイプで作成したメッシュはConjugate Heat Transfer v2.0 のシミュレーションで使用できないことに注意してください。 |
| 計算実施済みのプロジェクト |
| 解析条件の設定とシミュレーション計算がすでに実施済みのプロジェクトをこちらからご確認いただけます。 |
4. 解析の実行
シミュレーションを開始するには、Simulation Runsの隣にある+をクリックしてください。こうするとメッシュが生成され、その後、シミュレーションが自動的に開始されます。シミュレーションが計算されている間、ポストプロセッサーで途中結果を見ることができます。途中結果はリアルタイムで更新されています。また、チュートリアルの最後に、計算実施済みプロジェクトへのリンクがありますので、実際の計算は行わずに結果だけ見てみたい場合は、そちらをご覧ください。
図40: 新規シミュレーションの実行
シミュレーションの実行は、1時間から2時間で終了します。この時点で、Solution FieldsまたはPost-process resultsをクリックして、ポストプロセッサにアクセスできます。
図 41: 終了したシミュレーションのポスト処理環境へのアクセス
5. ポスト処理
5.1. Result Controls
ポストプロセッサを開く前に、Result controlsで得られたデータを確認してみましょう。チップの平均温度は、Area averagesで確認できます。
図 42: 1W Chipの平均温度。温度は100℃をわずかに超えています。
このプロットはアルゴリズムが反復計算を実行する際に、チップの温度がどのように推移するかを示しています。収束解が得られると、温度は安定し、反復計算の間で変化しなくなります。Conjugate Heat Transfer v2.0アルゴリズムの強連成の結果、温度は 300 回強の反復で素早く収束します。
CFDシミュレーションの収束性を評価する際の注意点については、こちらの記事を参照してください。
| 複数パターンの同時計算 |
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SimScaleを使用すると、異なるLED設計に対して複数のシミュレーションを並行して実行することが可能です。こうすることで、様々な形状をより速く評価することができ、設計プロセスをスピードアップすることができます。 |
6.2. 温度のコンター表示
電子機器冷却シミュレーションでは、チップ上とその周辺の温度を視覚的に評価することが有効です。Solution Fieldsをクリックし、ポストプロセッサにアクセスした後、以下のように進めてください。
- Parts ColorのColoringをTemperatureに設定します。これで、温度がビューアに表示されます。
- 可視化をより良くするために、レンダリングモードを調整できます。Surface with wireframeとTranslucent surfaces with wireframeの2種類が効果的です。
- 右側のパネルで、Board の隣にある目のアイコンをクリックします。こうすることで、チップ上の温度をはっきりと見ることができます。
図 43: Parts Colorに設定すると、領域全体をプロットできます。
チップを自由に見ることができるようになったので、Inspect point機能を使って、関心のあるポイントを検査することもできます。下の画像はその手順です。
- トップバーのInspect point機能を選択します。
- Boardを非表示にすると、チップ上の温度を直接検査できるようになります。必要に応じてカメラの角度を調整し、他のパーツを非表示にします。
図44: カメラの角度を調整することで、チップを鮮明に見ることができます
6.3. 流線表示とアニメーション
Solution Fieldsをクリックしてポストプロセッサにアクセスした後、フィルタと呼ばれる表示設定を切り替えることで結果をさらに詳しく評価できます。
例えば、Particle Traceフィルタは、粒子がドメイン内を移動している様子を可視化します。このフィルタは、対流によって形成されるプルームを捕捉するのに非常に有効です。以下のように操作してください。
- 上部リボンのParticle Traceをクリックし、新規フィルタを作成します。
- Pick Position ボタンがオンにします。こうすることで、トレースの開始面をビューワ上で設定できます
- LED の下の面を選択することで、プルームが形成される様子を見ることができます。
図45: Add Filterをクリックすると、ドロップダウンメニューから目的のフィルタを選択できます。
複数のフィルタを作成できるので、異なる位置から空気がどのように動くかも見ることができます。例えば、プルームの発生により流体領域の側面から空気が吸引されることがあります。2 つ目のフィルタを作成し、今度は側壁の1部を選択します。
図 46: ポストプロセッサーで複数のフィルタを同時に表示できます。
Particle traceフィルタは、アニメーションにするとさらに分かりやすい可視化結果が得られます。実際にアニメーションを作ってみましょう。ツールバーのAnimationをクリックします。アニメーション再生を始める前に、Animation type を Particle Traceに変更するのを忘れないようにしてください。
図47: パーティクルトレースとアニメーションフィルタの組み合わせは、強力なポスト処理ツールです。
再生ボタンを押すと、粒子が領域内を移動する様子をアニメーションで見ることができます。
アニメーション1:LEDスポットライト上のプルームの生成
現在の構成では、チップの温度は375 K程度になっています。この最初のシミュレーションで得られた結果を設計に反映し、より温度が低くなるような改善に役立てられます。
このシミュレーションでポストプロセッサの他のフィルタを使用する方法については、ポストプロセッサガイドを参照してください。
おめでとうございます。チュートリアルは終了です。