構造解析における初期条件設定
Initial conditions では、解析を行う際にモデルの初期状態を定義する初期条件を設定できます。構造解析の場合には一般的に、非線形解析あるいは動解析以外では初期条件を設定する必要はありません。
SimScaleでは、構造解析におけるすべての初期条件タイプにおいてサブドメイン (subdomain) を利用できます。これにより、部品ごとに初期値を設定できます。なお、 Subdomain の設定ではない場合には、モデル全体に対する初期状態の定義となります。
以下に、物理量ごとの設定について説明します。
Displacement (変位)
Displacement (変位) の初期条件設定は、以下の解析タイプにおいて利用できます。
- Static, nonlinear (静解析、非線形オプション)
- Thermomechanical (熱応力解析)
- Dynamic (動解析)
モデル全体への設定の場合には、表形式での入力も可能です。
変位の初期条件設定は、特定の部品の初期位置を設定したい場合に有用です。以下のスナップフィットの例では、CADモデル上ではふたつの部品は噛み合った状態となっています。変位の初期条件を設定することにより、部品同士の位置を離した状態から解析を開始できます。
Initial conditions → Displacement → Subdomain より、新たにサブドメインの初期変位設定を作成します。スナップフィットの図中右側の部品を Assigned Volumes に割り当て、-z方向に15mmの初期変位を設定します。
図1: 噛み合った状態のスナップフィットに初期変位を設定する
設定の結果として、下図のように部品同士が離れた位置から解析を開始できます。
図2: 初期変位を設定した場合の初期状態
Stress (応力)
初期応力の設定では、垂直応力とせん断応力すべての成分について設定を行えます。この設定により、予め圧縮された状態・引張が生じた状態といった応力状態から解析を開始できます。
図3: 応力の初期条件設定
なお、下付き文字xx, yy, zzはそれぞれの方向の垂直応力を、xy, xz, yzはそれぞれの方向のせん断応力を表します。
Velocity (速度)
各成分の初期速度を設定できます。以下の解析タイプで利用できます。
- Thermomechanical, dynamic (熱応力解析、動解析オプション)
- Dynamic (動解析)
落下試験・衝突を Dynamic (動解析)で解析する場合には重要な設定です。例えばこの設定により、衝突直前の速度を設定できます。
なお、動解析では慣性を考慮して時系列変化の計算を行います。したがって、時刻ゼロでの状態を設定する初期条件は重要な設定です。
初期速度を設定する例は、以下のチュートリアルをご覧ください。
チュートリアル:衝撃緩衝材(クラッシュアッテネータ)の衝突解析
Acceleration (加速度)
初期速度の設定と同様に、Dynamic (動解析) Thermomechanical (熱応力解析の動解析オプション)で利用できます。
Temperature (温度)
初期温度を設定できます。以下の解析タイプで利用できます。
- Heat transfer (熱伝導解析)
- Thermomechanical (熱応力解析)
なお、初期温度の設定は過渡解析(SimScale内では Transient、非定常解析)とした場合のみ必要です。