シミュレーションツリーの Model では、解析タイプ・使用する機能に応じて主に解析全体に関わるパラメータの設定を行えます。
Gravity (重力)
重力加速度をベクトル形式で指定します。対流の解析および混相流・自由表面の解析に必要です。ベクトルは、重力加速度のx, y, z成分である gx, gy, gz を指定します。軸の方向は、画面右下のオリエンテーションキューブを参考にできます。
図1: 重力加速度の設定
以下の解析タイプで設定が必要です。
- Convective Heat Transfer
- Conjugate Heat Transfer & Conjugate Heat Transfer v2.0
- Conjugate Heat Transfer (IBM)
- Multiphase
- Multi-purpose (アドオン)
パッシブスカラー関連のパラメータ
グローバル設定で Passive species を設定してパッシブスカラーの解析を行う場合に設定が必要です。
図3: Model 設定パネルのパッシブスカラーに関する項目
以下の項目を設定できます。
Turb. Schmidt number (乱流シュミット数)
解析領域全体について、乱流シュミット数を設定します。乱流シュミット数は、運動量の乱流輸送と質量の乱流輸送の比を表します。SimScaleでは、領域内のパッシブスカラーの輸送の計算を行う際に使用されます。
ここで、乱流シュミット数は流体の特性ではなく、流れの特性である点に注意してください。一般的な値の範囲は、0.5 ~ 1.3 です。解析を行おうとしている流れの特性が未知な場合は、デフォルト値である0.7の使用を推奨します。
Diffusion coefficient (拡散係数)
以下に示すフィックの第1法則の係数である拡散係数です。
ここで、 J は拡散束(あるいは流束)、 D は拡散係数、は濃度の空間勾配です。
したがって、拡散係数は流束と拡散する物質の濃度勾配を結び付ける係数といえます。値は、文献値や Engineering ToolBox といったウェブサイトで調べられます。
LES乱流モデル関連のパラメータ
OpenFOAM系のソルバー(アドオン以外の流体解析タイプ)においてラージエディシミュレーション (Large eddy simulation, LES) を乱流モデルとして選択した場合には以下の項目の設定を行います。
Delta coefficient
LESシミュレーションでは、大きな渦のみを完全に解きます。あらゆるスケールの渦を解くには、膨大な計算量が必要になります。このため、 Delta coefficient はサブグリッドスケールのフィルタとして機能します。Delta coefficient は局所的なセルの大きさと紐づけられます。フィルタリングで残った大きな渦はLESシミュレーションで解かれ、小さな渦は、RANSでモデル化されます。
Multiphase関連のパラメータ
Multiphase で2相の流体を扱う場合、その相同士の間には表面張力が生じますので以下の項目の設定を行います。
Surface tension
異なる相の表面で生じる表面張力の値を設定します。値は、文献値や Engineering ToolBox といったウェブサイトで調べられます。
図4: Multiphase 解析タイプにおける Model の設定パネル