Multiphase Fluid Flow Analysis
Multiphaseでは、2種類の非圧縮性・等温度、混合しない流体について、時間変化に伴う非定常現象をVOF (Volume Of Fluid)法で計算します。これにより、流体間の表面の挙動をシミュレーションできます。なお、現状、15 m/sが流速の上限ですのでお気を付けください。
図1: Multiphaseで解析した水が流れ落ちる様子
なお、Multi-purposeでも流体の自由境界を扱う解析を実施できるようになっています。Multi-purposeがMultiphaseに対して優位な点は以下の通りです。
- CFL条件の自動調整による高速で安定した収束
- 独自の二分木アルゴリズムに基づくロバストなメッシャー
- パラメトリックスタディ機能
それでは、解析の設定の手順を示していきます。
Multiphaseシミュレーションの作成
Create Simulationから、解析の種類を選択できます。Multiphaseは、下図で矢印で表示されています。
図2: Create Simulation画面
解析タイプを選択して新たにシミュレーションを作成すると、以下のようにシミュレーションツリーが表示されます。次節からは、それぞれの設定項目の概要を紹介していきます。
図3: Multiphaseのシミュレーションツリー
Global Settings
シミュレーションツリーの最上位に表示されるシミュレーションの名前(図3でいうと Conjugate heat transfer )をクリックすると、グローバル設定の設定パネルが表示されます。Conjugate heat transfer および Conjugate heat transfer V2.0で設定できる項目は以下の通りです。
-
Use local time stepping
- 有効にすると、解析が定常解析に近いものになり、計算時間の短縮・結果データサイズの削減が可能です。定常状態の波のパターンさえ分かれば良い、船体抵抗の解析などに使用されます。
-
Turbulence model (乱流モデル)
- 乱流モデルを選択します。利用できる乱流モデルは以下の通りです。
- LES Smagorinsky
- LES Spalart-Allmaras
- Laminar
- k-epsilon
- k-omega
- k-omega SST
- 乱流モデルを選択します。利用できる乱流モデルは以下の通りです。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Geometry
解析で使用するジオメトリ(CADモデル)を選択します。Multiphaseでは、流体領域を表す1つのジオメトリのみ使用します。解析領域内にソリッドパーツを配置することはできません。必要に応じて、CADモードの機能で流体領域ジオメトリを作成してください。(参考:流体領域を抽出するには?)
Model
以下の項目を設定します。
- Gravity: 重力加速度
- Surface tension: 異なる流体間の表面張力
-
Delta coefficient: LES乱流モデルのパラメータ
- 乱流モデルをLES SmagorinskyあるいはLES Spalart-Allmarasとした場合のみ
Materials
解析で使用する物性を設定します。材料ライブラリから使用するものを選択してください。該当するものが標準のリストにない場合あるいは物性値を編集したい場合は、どれかひとつを選択してApplyをクリックした後に設定パネルで名前や値を編集できます。
設定できる相の数は2までですのでご注意ください。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Initial Conditions
Initial conditionsでは、解析領域内で計算する値について、計算開始時点での初期値を設定します。Multiphaseは非定常な解析のみですので、最初の状態を定義する必要があります。下記項目について設定します。
- Phase fraction (2相の比率)
- Velocity (速度)
- Modified pressure (圧力)
Subdomainで部分的に値を設定することも可能です。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Boundary Conditions
Boundary conditions (境界条件) では、流入・流出などの、解析を行う系と周囲の環境の境界面の状態を設定します。なお、境界条件が設定されていない面には自動的に、そう分率の勾配がゼロのノンスリップ境界が設定されます。
設定できる境界条件の詳細は、こちらのページをご確認ください。
Advanced Concepts
Advanced conceptsでは、発展的な解析条件項目の設定を行えます。Multiphaseで利用できる項目は以下の通りです。
Numerics
Numericsでは、実際に方程式を数値的に解くにあたっての離散化スキームやソルバーの設定を行えます。これは、解析の安定性に影響します。ユーザーは全ての設定を変更できるようになっていますが、特段必要なければ、デフォルトの設定をご利用ください。
なお、SimScaleのMultiphaseでは、OpenFOAM®の独自バージョンを使用しています。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Simulation Control
シミュレーションに関する全般的な設定を行います。例えば、タイムステップや解析終了時間、使用するプロセッサのコア数を設定できます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Result Control
解析結果の追加出力項目を設定できます。下記の項目を出力するように設定できます。
- Forces and moments: 特定の面に作用する力とモーメント。
- Surface data: 特定の面における平均値・総和。
- Probe points: プローブポイントを指定して値を出力。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Mesh
流体の動きを数値的に解くために、解析領域を小さな区分にメッシュ分割します。以下のメッシュ作成アルゴリズムを使用できます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
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