概要
Mesh の設定で、Algorithm - Standard とした際に使用できるメッシャーはSimScaleの標準メッシャー であり、有限体積メッシャーを使用します。四面体(テトラ)または六面体(ヘキサ)要素を使用して3次元非構造メッシュを生成します。
全体設定
以下にメッシュのデフォルト設定を示します:
SizingとFineness
Sizing は 、生成するメッシュの大きさ(ジオメトリの離散化の細かさ)を定義します。SizingはAutomaticまたはManualに設定できます。Automaticでは、局所のメッシュを幾何学的な推定に基づいて自動的に調整します。またはManualで、Maximum edge length (エッジの最大長さ)とMinimum edge length (エッジの最小長さ)を手動で定義することもできます。
Automatic (自動)
Automaticでは、 グローバルメッシュのFineness (細かさ)のみを定義する必要があり、パラメータはジオメトリの特徴と選択されたFineness (細かさ)に応じて自動的に設定されます。この値は、1 (非常に粗い) ~ 10 (非常に細かい)の範囲で、モデル内の特徴的な要素サイズから設定します。
メッシュを細かくすると、小さな形状の解像度が向上しますが、シミュレーションの計算時間と必要とするメモリ数が増加します。標準設定の5 (中程度)は、通常、精度とリソース消費の間の良いバランスを提供します。Fineness (細かさ)の見通しが立たない場合は、5から試すことを推奨します。このメッシュでの結果を参考に、メッシュの独立性や収束性の向上のためにFineness (細かさ)を調整します。
Manual (手動)
Manualでは 、セルのMaximum edge length (エッジの最大長さ)とMinimum edge length (エッジの最小長さ)を 自由に定義することができます。これらの中間のセルサイズはそれに応じて調整されます。
| 構造解析でのメッシュオーダー |
| 構造解析では、力学解析・熱解析それぞれにおけるメッシュの次数(1次または2次)をシミュレーションツリーの Element technologyで定義することができます。 |
Automatic boundary layers (自動境界層)
この機能をオンにすると、CADモデルの 壁境界条件が割り当てられている面のみに境界層メッシュが作成されます。設定とその機能は、以下で説明するInflate boundary layer機能と同じです。
Physics -based meshing (物理ベースメッシュ)
この機能を有効にすると、シミュレーションの条件設定を考慮してメッシュを作成します。考慮される設定は、材料特性、境界条件、追加ソース項( Momentum sources (動力源モデル)、やPower sources (熱源モデル)など)など多岐にわたります。基本的に、流体シミュレーションに関係する物理計算がメッシュ要素のサイズを決定する際に優先されます。
Physics-based meshing (物理ベースメッシュ)が オンの場合、主に以下のような調整が行われます:
- 領域の入口と出口でのメッシュの細分化
- 壁の境界層に対する追加処理
| 重要 |
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シミュレーション設定に問題がある状態でPhysics-based meshing (物理ベースメッシュ)をオンにしてメッシュを生成しようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます:
上記のメッセージは、現在のシミュレーション設定に問題があることを意味します。例えば、次のような理由が考えられます。
この警告メッセージが表示された場合、 Continue simulation setup (シミュレーション設定の継続)をクリックし、シミュレーションツリーで問題のある設定を修正することをお勧めします。もっとも簡単に問題のある設定を確認するには、シミュレーション実行(Simulation RunsでStartをクリック)する際に表れるエラーメッセージをご確認ください:
問題のある設定のリストを確認することで、シミュレーション設定を修正し、メッシュ生成を正常に進めることができます。 |
Hex element core
デフォルトでこの設定は流体解析ではオン、構造解析ではオフです。オンにすると、メッシュの内部が六面体要素で覆われます(六面体メッシュ)。六面体メッシュの四角形の面から三角形の面を持つメッシュへの接続は、ピラミッドメッシュと四面体メッシュを使用して行われます。
通常この設定はデフォルトのままにしておくことをお勧めします。
Number of Processors
メッシュを作成する際のプロセッサーの数(コア数)を設定します。ほとんどの場合Automatic (自動設定)で問題ありませんが、手動で選択する場合も最大で16コアまで行うことを推奨します。
| ビデオで学ぶ |
| SimScaleの基本のメッシュ作成に関する短いビデオ(英語)です。メッシュ設定パネルの様々なパラメータについて説明しています。 |
Advanced settings (高度な設定)
Small feature suppression (小さなフィーチャーの抑制) を0に設定すると、Advanced settings (高度な設定)はメッシュ生成プロセスに影響しません。非常に詳細なジオメトリを扱う場合、2つのオプションが役に立ちます。
Small feature suppression (小さなフィーチャーの抑制)
メッシュ生成プロセス中に小さなフィーチャーを無視するための設定です。基本的にこの処理では面をマージし、小さなフィーチャーの周りの不必要な精密化を回避します。
小さなエッジやスライバー面(エッジとして認識されずに形成された非常に細長い面)のような小さなフィーチャをメッシュ生成に影響させないために、最小エッジ長さを定義します。これを0(デフォルト)に設定すると、この設定は無効になり、すべての小さなフィーチャーを考慮した非常に細かいメッシュを生成します。
Gap refinement factor (ギャップ精密化係数)
この機能により、ユーザーはモデル内の小さなギャップをよりよく捉えることができます。例えば、ヒートシンクのフィン間の空気や、フィン自体などの非常に薄いギャップがあげられます。
Gap refinement factor (ギャップ精密化係数)は、ギャップの厚みとギャップ内のメッシュエッジ長さの比として定義されます:
- 1以上の場合、その値(整数)はギャップを横切る要素数でもあります。
- 1以下の場合、Gap refinement factor (ギャップ精密化係数)はギャップ内の要素のアスペクト比の逆数になります(下図参照)。
デフォルト値の0.05は、薄いギャップを横切る要素(図4中のgとsがなす斜辺)が平坦すぎて品質が大幅に低下しないことを保証するために設定されています。
この機能は、ギャップの厚みを横切る特定のセル数を保証するものではありません。なぜなら、この機能は、おおよそのギャップの厚みと希望するセルサイズの比率によって適切な量のセルを計算するアルゴリズムの制約に依存するためです。Gap refinement factor (ギャップ精密化係数)を1.5に設定した場合、最小のギャップ厚で1-2個のセルが収容されることが期待され、ギャップ厚が徐々に大きくなるにつれて収容されるセルの数も多くなります。
次の画像はメッシュ化された ギャップです。Gap refinement factor (ギャップ精密化係数)を2に設定することで、小さなギャップ厚のセルがどのように収容されるかに注意してください。
前述のように、この設定はある特定のギャップを横切る特定のセル数を保証するものではなく、全体を一貫してメッシュ生成のために考慮する必要があります。
Global gradation rate (グローバルグラデーション率)
Global gradation rate (グローバルグラデーション率)は 、計算領域内の隣接する2つのセルのサイズの比率です。この設定は、小さいセルから大きいセルへ移行する段階的変化の早さを定義します。
Global gradation rate (グローバルグラデーション率)は1~3の間の任意の値を設定できます。デフォルトではベストプラクティスとして1.22となっています。Global gradation rate (グローバルグラデーション率)を1にすると、出来上がるメッシュは全領域で最小のセルサイズで均一になります。Global gradation rate (グローバルグラデーション率)を大きくすると、小さいセルから大きいセルへの遷移が早くなります。
メッシュが適切なサイズより非常に大きくなる領域が発生する可能性があるため、値を1に設定することはお勧めしません。同様に、大きな値を設定することも、非推奨です。
Mesh refinement (メッシュの細分化)
メッシュの細分化(Mesh - Refinements)を使用すると、必要に応じてメッシュを局所的に精密化することができます。これにより、結果の精度と計算リソースの両方の要求に応える非常に効率的なメッシュを生成することができます。
メッシュの細分化はMeshのRefinementsから設定できます。現在可能なメッシュの細分化タイプは以下の通りです:
- Region refinement
- Volume custom sizing
- Local element size
- Surface custom sizing
- Inflate boundary layer
- Sweep meshing refinement (構造解析タイプのみ)
- Thin section mesh refinement (構造解析タイプのみ)
| 重要 |
| ローカル設定の割り当ては、常にグローバル設定より優先されます。また、同一エンティティに同一タイプの複数の細分化が定義されている場合、割り当てられた順序に関係なくより細かい設定を優先します。ただし、解析条件が分かりづらくなるため、このような設定は避けることが望まれます。 |
Region refinement
Region regfinementは、ユーザが指定したボリュームのメッシュを細分化するために使用されます。この割り当ては、ボリューム、トポロジカルエンティティセット (SAVED SELECTIONSから作成) 、またはGeometry primitives (ジオメトリプリミティブ)に割り当てることができます。 標準メッシャーでは、以下に示す2種類のRefinement mode が利用できます:
- Inside: 選択されたボリュームの内側にあるすべてのボリュームメッシュセルを、指定されたセルのMaximum edge length (最大エッジ長)まで細分化します。
| 注意 |
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Region refinementは、選択された領域内をすべて細分化します。そのため、ボリュームとジオメトリプリミティブを同時に割り当てる場合は、両者が重複していないか注意してください。 割り当てられたジオメトリプリミティブが、割り当てられたボリューム内に完全に囲まれている場合、ボリュームの割り当てがジオメトリプリミティブを上書きします。つまり、ボリューム(またはパーツ)の特定の領域のみを絞り込みたい場合は、ジオメトリプリミティブのみを使用し、ボリューム全体を割り当てないでください。 |
- Distance: 割り当てられたボリュームの面までの距離に応じてメッシュセルを指定します。 Distance モードは、複数の距離で異なる細分化レベルに対応できます。 Maximum edge length (最大エッジ長 )の最小値は、 Distance の最小値に割り当てる必要があります。つまり、Maximum edge length (最大エッジ長 )の値は、ボリュームの表面からのDistance の値が大きくなるにつれて大きくなる必要があります。(テーブルに入力する順番は関係ありません。)
InsideとDistanceのどちらの方法でも、Maximum edge length (最大エッジ長)を定義することができます。メッシュ生成のアルゴリズムは、CADモデル上のより細かいフィーチャーが適切なメッシュサイズになるように開発されています。
Volume custom sizing
Volume custom sizingはRegion refinementに似ており、パーツまたはジオメトリプリミティブに割り当てられます。この方法の違いはメッシュ要素のサイズを定義することです。
SizingのAutomaticを使用する場合、メッシュ要素のサイズは、幾何学的特性を考慮して自動的に細分化レベルを決定します。
Customを使用することも可能で、選択された領域内でDefault (デフォルト: 基準となるサイズ)とMinimum (最小)の要素サイズを定義することができます。
Local element size
これはCADモデルの面に適用され、メッシュ要素のMaximum edge length (最大エッジ長)の入力に基づいて面にほぼ均一なメッシュを与えます。
このアルゴリズムは、メッシュ品質に制約や幾何学的な詳細が必要な場合、より細かいサイズを適用します。
Surface custom sizing
Surface custom sizingは、面に対してローカルな要素サイズを定義する代替方法です。
Surface custom sizingは、Volume custom sizingと非常によく似ており、関心のあるFinenessに基づいたAutomatic (自動)でメッシュのサイズ設定が可能です。
また、Sizing - Customでは 、選択した面のメッシュのDefault (デフォルト: 基準となるサイズ)とMinimum (最小)の要素サイズを定義することができます。
Inflate boundary layer
割り当てられた面に沿ったプリズムセルを持つボリュームメッシュを追加します。ジオメトリ表面の面のみに細分化を適用することができます。この機能は通常、境界層をよりよく捉えるために使用されます。以下の4つのパラメータが入力として必要です:
- Number of layers (レイヤー数): 追加するレイヤーの総数を指定します。
- Overall relative thickness (全体の相対的な厚さ): 境界レイヤーに隣接するサーフェスメッシュ要素からの相対的な、すべてのレイヤーを合わせた全体の厚さを指定します。この値を0.25以下に設定することはお勧めしません。
です。
-
Layer gradation control (層のグラデーション制御):
- Specify growth rate : 隣接する層の要素間の相対的なサイズを制御するGrowth rate (成長率)を指定します。1.5は層間に50%の差があることを意味します。
- Specify first layer thickness : 壁に隣接する最初の要素の絶対的な厚さを固定するFirst layer size (最初の層の大きさ)を指定します。
Automatic sweep meshing
このスイープメッシュ (Sweep mesh)は、構造解析に限り利用できます。スイープメッシュは開始面を基準のメッシュとして、これと同じメッシュを引き伸ばして金太郎飴のように生成するメッシュです。この設定はMeshのグローバル設定のAutomatic sweep meshingの横のトグルでオンにできます。オンにすると、利用可能なオプションが表示されたドロップダウンメニューが表示されます。
利用可能なオプションは以下の通りです:
- Maximum number of layer (最大層数): 分割する層数の最大値を指定します(デフォルトは 500)。
- Minimum number of layer (最小層数): 引き伸ばす層数の最小値を指定します(デフォルトは 2)。
- Surface element type (面要素タイプ): Quad dominant (四角形)またはTriangular (三角形)のいずれかで、引き伸ばし可能なボディのすべての開始面~終了面の要素タイプを指定します。
スイープメッシュについて詳しくはこちら
Extrusion mesh refinement
形状を自動で認識して、以下の Sweep meshing refinement と Thin section refinement のいずれかでスイープメッシュを作成します。設定方法は、以下の Sweep meshing refinement と Thin section refinement をご覧ください。
スイープメッシュについて詳しくはこちら
Sweep meshing refinement
Mesh - Refinements から設定して下さい。指定されたボリュームをプリズム型でメッシュ化し、同じボリュームの開始面から終了面までメッシュを引き伸ばします。Start faces (開始面)とEnd faces (終了面)の形状は完全に一致している必要があります。この細分化は、全体が引き伸ばしできるボディに対してのみ機能することに注意してください。
以下の設定が必要です:
-
Sweep sizing type (引き伸ばしのタイプ): Number of elements along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の数)またはElement thickness along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の厚さ)から選択します。これらのパラメータは 開始面と終了面の間のプリズム層の数を制御します。例えば、上図ではy方向に合計80個のプリズム層が作成されています。
- Number of elements along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の数): Number of elements (要素の数)を指定して下さい。
- Element thickness along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の厚さ): Thickness (要素の厚さ)を設定して下さい。
- Surface element type (表面要素タイプ) : この設定で、開始面と終了面に生成されるセルのタイプをTriangular (三角形)またはQuad dominant (四角形)で定義します。 Triangular (三角形)では、メッシュセルは三角形の底面を持つプリズムになります。Quad dominant (四角形)では 、メッシュは主に6面体で構成され、一部三角形ベースのセルも生成されます。
- Specify start/end mesh size (開始面と終了面のメッシュサイズの指定): このオプションをオンにすると、開始面と終了面のセルのMaximum edge length (最大エッジ長)を設定することができます。
- Start faces (開始面)とEnd faces (終了面): ユーザーは、同じボリュームに属する1つの開始面と1つの終了面を定義する必要があります。下図のように各ボリュームの開始面と終了面をセットで入力することで、細分化の設定を各ボリューム同時に割り当てることができます。下図のアセンブリ1のように分岐点を有するボリュームは引き伸ばしできないため、Sweep meshing refinementを割り当てようとするとメッシュエラーになります。アセンブリ2のすべてのボリュームは問題なく引き伸ばしできます。
上に示したメッシュ設定の結果は次のようになります:
Thin section mesh refinement
この細分化は、ジオメトリの一部(理想的には薄い壁)に複数の層を持つ構造化メッシュを作成するために使用できます。スイープメッシュとは異なり、Start faces (開始面)とEnd faces (終了面)の形状が完全一致していなくても、概ね一致していれば適用できます。この適用要件は、厚みが薄く、開始面と終了面を直線的に結ぶことができることです。また、この精密化はジオメトリ領域を完全に、または部分的に埋めることができます。
以下の設定が必要です:
-
Sweep sizing type (引き伸ばしのタイプ): Number of elements along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の数)またはElement thickness along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の厚さ)から選択します。
- Number of elements along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の数): Number of elements (要素の数)を指定して下さい。
- Element thickness along sweep (引き伸ばし方向に沿った要素の厚さ): Thickness (要素の厚さ)を設定して下さい。
- Surface element type (表面要素タイプ) : この設定で、開始面と終了面に生成されるセルのタイプをTriangular (三角形)またはQuad dominant (四角形)で定義します。
- Specify start/end mesh size (開始面と終了面のメッシュサイズの指定): このオプションをオンにすると、開始面と終了面のセルのMaximum edge length (最大エッジ長)を設定することができます。
- Start faces (開始面)とEnd faces (終了面): ユーザーは、同じボリュームに属する1つの開始面と1つの終了面を定義する必要があります。下図のように厚みが薄く、開始面(椅子の座面がある面)と終了面(椅子の座面がある面の裏面)を直線的に結ぶことができれば、開始面と終了面の形状が完全に一致していなくて適用できます。
1つのジオメトリ領域に対して1つしかThin section mesh refinementを適用できません。
Cell zones
Cell zones (セルゾーン)はグループ化されたセルの集まりです。Cell zones (セルゾーン)は、 Rotating zone (回転領域モデル) (MRF-Multiple Reference Frame (複数の基準フレーム)または AMI-Arbitrary Mesh Interface (任意のメッシュインターフェース))、Momentum sources (動力源モデル)、Power sources (熱源モデル)、Porous media (多孔質媒体) 、 Passive scalar (パッシブスカラー)などを定義するなど、セルのサブセットに特定のプロパティを割り当てるために必要です。この機能はPhysics-based meshing機能がオフの場合にのみ表示されます。
Physics-based meshingがオンの場合、Cell zones (セルゾーン)の作成は自動的に行われるため、ユーザーはセルゾーンの作成を考慮する必要はありません。基本的な解析ではこちらの使い方で問題ありません。