解析タイプ: Conjugate Heat Transfer V.2
概要
この熱チュートリアルでは、電子機器筐体内の冷却解析について説明します。いくつかのコンポーネントを搭載した筐体の内部が、ファンによって冷却されるというものです。
図1:電子機器筐体内のコンポーネントの温度分布
すべての電子機器は、その動作中に熱を発生させます。これらの機器に使用されている部品や材料には、個々に温度の制限があります。そのため、熱の制御はシステムの信頼性を高め、故障を防ぐために非常に重要です。シミュレーションは、さまざまな冷却戦略をテストし、最適化するための費用対効果の高い方法です。
このチュートリアルでは、次のことを学びます。
- 熱管理/エレクトロニクス冷却に適した境界条件の選択
- さまざまなコンポーネントへの材料を割り当て
- 接触特性の定義
- 計算の安定性に関する設定
SimScaleのワークフローに従います。
- シミュレーション用のCADモデルを準備します。
- シミュレーションの条件を設定します。
- メッシュを作成します。
- シミュレーションを実行し、結果を評価します。
1. CADモデルの準備と解析種類の選択
以下のボタンをクリックして、チュートリアルをWorkbenchにインポートしてください。
このリンクをクリックすると、以下のビューが表示されます。
図2:チュートリアルの開始時点のSimScaleワークベンチ
1.1. CAD Mode
このチュートリアルには、2つの形状が含まれています。1つ目の形状は、Electronics Box Missing Flow Regionで、解析に使用する前に、CADモードで準備が必要です。ここでは、流体領域の抽出について説明します。
2つ目の形状は、このチュートリアルで使用されるものです。2 番目のジオメトリには、既に利用可能な流体領域の他に、チュートリアルを通して使用される一連の定義済みのSaved selectionsも含まれています。流体領域抽出のワークフローに興味がない場合は、以下のノートを読み飛ばしてください。
| 内部流体領域の作成 |
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内部流体解析を行うには、流体領域を表すCADモデルが必要です。流体領域は、SimScaleプラットフォーム内のCADモード環境で作成可能です。CADモードに入るには、以下のステップに従います。 図3:Edit a copyをクリックします。CADモードでは、SimScale内で簡単な編集から複雑なものまで扱えます。
最初のジオメトリを選択し、Edit in CAD modeをクリックすると、CADモード環境に入ります。インターフェースは以下のようになります。 図4:CADモード環境では、CADのクリーンアップや流体領域の抽出など、一連の編集作業が可能です。
次に、Flow Volumeアイコンにカーソルを合わせてInternalを選択し、内部流体領域の操作を実行します。 図5:内部流体領域の機能により、閉じたCADボディの中に流体領域が作成されます
内部流体領域を作成するには、境界面に隣接する筐体の面を選択します。これは、内部流体領域作成の開始点(ソース)を定義するもので、シード面と呼ばれます。 電子ボックスの筐体には2つの開放面があるため、2つの境界を定義して内部流体領域を作成する必要があります。今回の場合、筐体の前面と裏面を境界として選択します。 図 6:境界面は、内部流体領域を定義します。
Exportボタン(右上)をクリックすると、CADモードを終了できます。Electronics Box Missing Flow Regionという名前の新しいパーツが作成されているのがわかると思います。 |
このチュートリアルでは、基板のSaved selectionsのみが欠落しているElectronics Box Flow Region Preparedを使用します。
1.2. 基板のSaved selections
Electronics Box Flow Region Preparedのジオメトリを選択します。基板のセットを作成するために、ボリューム選択モードに切り替え、ジオメトリパーツリストを展開し、Board 4、Board 3、Board 2、Board 1、Main Boardのパーツを選択します。
パーツを選択後、Saved selectionsの横の+をクリックし、セットに Boardsという名前を付けます。
図7: Saved selectionsは、部品をグループ化することができ、割り当てをより簡単に行えるようになります。HousingとFluid Volumeエンティティセットを非表示にして、ボードを表示します。
2. シミュレーションの条件設定
2.1. 解析ツリーの作成
すべてのSaved selectionsの準備ができたら、次の図のようにElectronics Box Flow Region Preparedジオメトリを選択し、Create Simulationボタンをクリックします。

図8:新しいシミュレーションを作成する手順
解析の種類を選択するウィジェットが表示されます。
図9:SimScale解析のライブラリ
解析タイプの選択ウィジェットには、SimScaleで利用可能なすべての解析タイプがリストアップされています。そのうちの一つを選択すると、それらの説明が表示されます。このチュートリアルでは、Conjugate Heat Transfer v2.0を使用します。その後、Create Simulationを押して、選択を確定します。
| Tips |
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シミュレーションライブラリで選択する解析タイプは、物理現象や関心のある結果によって選択する必要があります。
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2.2. Global Settings
左側のパネルには、下図のように Conjugate heat transfer v2.0 という名前の解析ツリーが表示されます。
図 10: Conjugate Heat Transfer v2.0 のグローバル設定
Conjugate Heat Transfer v2.0をクリックし、グローバル設定にアクセスします。電子機器冷却の用途では、流体が受ける温度勾配が大きいことが多いため、圧縮性の影響を考慮する必要があります。Compressibleをオンにしてください。
グローバル設定では、輻射を考慮するかどうかを決定することもできます。このチュートリアルでは、輻射はオフのままにしておきます。
| Tips |
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k-omega SST乱流モデルは、k-omegaモデルとk-epsilonモデルを自動的に切り替えるので、両方のモデルの利点を活用し、乱流シミュレーションの大部分に使用することができます。
グローバルシミュレーションの設定について詳しくは、こちらのページをご覧ください。 |
2.3. Geometry
シミュレーションツリーの次の項目は、Geometryです。すでに目的の形状を使用しているため、このタブは完全にスキップできます。
2.4. Contacts
熱接触条件は、電子機器冷却でよく使用される機能です。SimScaleでは、新しいConjugate Heat Transfer v2.0が作成されると同時に、部品間の接触が自動的に検出されます。このチュートリアルで使用するジオメトリでは、合計646個の標準的なインターフェースが表示されます。
デフォルトでは、すべての接触面について熱抵抗無しの条件が適用されます。以下のセクションでは、指定した面に熱抵抗を設定する方法を示します。
2.4.1. 大型チップと導体の熱伝導率を変更する
この解析では、大型チップとヒートシンクの間に 0.001 mで8 W/m Kの熱伝導率を持つサーマルペーストをモデル化します。下の画像は、そのワークフローを説明したものです。
- Saved selectionsタブで、Housing、Main Board Heat Sink、およびFluid Volumeの横にある目のアイコンをクリックして、これらを非表示にします。
- 面選択が有効になっていることを確認します。
- 大きなチップの一番上の面をクリックして選択します。
- ビューアーを右クリックします。
- Filter contacts by selectionを選択します。
図 11: 関心のある接触面について個別に設定を編集できます。
これで、関心のある接触面の定義が表示されます。インターフェイスのタイプをThin layer resistanceに調整し、Thermal conductivityを8 W/m K、Layer thicknessを0.001 mに調整します。
図12: Thin layer resistanceにより、薄膜のCADモデルを作成することなく、薄いコーティングの影響を考慮できます。
| 注意 |
| 薄い層の材料(サーマルペースト、絶縁体など)を追加することは避けてください。これらの材料をモデルに含めると、メッシュが細かくなり、計算コストが高くなります。その代わり、このセクションで前述したように、それらを接触面として定義することを推奨します。 |
2.5. Model
Modelタブで、ユーザーは重力の大きさと方向を定義できます。方向については、ビューアの右下にあるOrientation cubeを参照してください。
図13: ビューアの右下隅にあるオリエンテーション・キューブは、重力の定義に役立ちます。
このチュートリアルでは、重力はz方向で-9.81 m/s2となります。重力の定義は、自然対流を扱う場合には必須の設定です。
2.6. Materials
次のステップは、電子筐体の様々なコンポーネントへ材料を割り当てることです。下の表は、割り当てる材料の一覧です。
表 1: 電子筐体の各部品に割り当てる材料
| 材料 | Saved selections |
| Air | Fluid Volume |
| Aluminium | Housing |
| PLA | Boards |
| Copper | Main Board Heat Sink |
| Tin | Main Board Large Chip, Main Board Capacitors |
| Silicon | Board Flat Chip, Board Chips, Board Capacitors, Small Chips, Transformer, Board Large Chip, Board Large Chips |
このチュートリアルでは、すべての材料はデフォルト設定のままとします。しかし、SimScaleでは、この記事で説明するようにカスタム材料を使用することも可能です。
2.6.1. Fluid Materials (Air)
新しい流体を定義するには、Fluidsの隣にある+をクリックします。流体材料のライブラリがポップアップ表示されます。
図14:SimScale流体材料ライブラリ
Airを選択し、Applyを押して選択を確定します。次に、材料特性がポップアップ表示されます。
図15: 材料を割り当てるには、Flow regionのSaved selectionsをクリックします。
流体領域に空気を割り当てた後、電子部品の材料を設定します。次のステップをより簡単にするために、すでに割り当てられた部品を非表示にすることをお勧めします。Saved selectionsのリストで目のアイコンをクリックして、Fluid Volumeを非表示にしてください。
| 材料割り当てについての注意事項 |
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マテリアルを作成して割り当てる際には、ジオメトリのどの部分がハイライトされているかに注意してください。
また、CADモデル内のすべての部品には、1つの材料のみ割り当てられることに注意してください。 |
2.6.2. SOLID MATERIALS (ALUMINIUM)
次に、筐体に割り当てる固体材料を選択します。このチュートリアルでは、SimScaleが提供するアルミニウム材料を使用します。Solidsの隣にある+ボタンをクリックすると、以下のリストが表示されますので、リストからAluminiumを選択し、Applyを押して確定します。
図16:固体用の材料ライブラリ
次に、アルミニウム材料を割り当てたい部品を選択します。これを行うには、Saved selectionsからHousingを選択するか、ビューアで直接パーツを選択します。
図17:材料設定の各項目は、必要に応じて編集できます。
次のステップを容易にするために、割り当て後にHousingを非表示にすることを忘れないでください。
2.6.3. SOLID MATERIALS (PLA / COPPER / TIN / SILICON)
次に、表1に従って、残りの固体材料を割り当てます。アルミニウム材料の割り当ての手順を繰り返し、材料ライブラリからそれぞれ材料を選択します。
図18: PLA
図19: Copper
図20: Tin
図21: Silicon
Siliconに割り当てられた一部のボリュームは、上の図に表示されていません。Small ChipsとTransformerも必ず割り当ててください。
| カスタム材料について |
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デフォルト値とは異なる設定の材料を使いたい場合には、カスタム材料を作成します。 |
2.7. Initial Conditions
ここでは、Main Board Large ChipとMain Board Heat Sinkの初期温度を定義するために、Subdomain initializationを利用します。放熱するボリュームを期待される結果に近い温度で初期化し、シミュレーションの収束率を向上させることができます。
まずは温度の初期化のためのサブドメインを作成し、温度と部品を割り当てます。
- アイコンをクリックして、新しいsubdomainを作成します。
- Subdomain の値を50 ℃に設定します。
- Main Board Heat SinkとMain Board Large Chipを割り当てます。
図 22:収束性を高めるため、温度場を初期化します。
| Tips |
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SimScaleのデフォルト値はほとんどのケースで機能するため、変数の初期化を設定することは必須ではありません。
しかし、良い初期条件を提供することで、収束性を上げ、計算の安定性を向上させることができます。 |
2.8. Boundary Condition
次に、シミュレーションの境界条件を設定します。このチュートリアルでは、電子筐体の出口にファンを設置し、電子ボックス内の空気を吸引することを想定しています。
2.8.1. 設定する境界条件の概要
次の図は、この電子機器冷却のチュートリアルで適用する物理的状況の概要を示しています。
図23:エレクトロニクスボックスに適用される境界条件
このチュートリアルでは、空気はファンが領域から吸い出すことによって強制的に移動します。筐体の表面は、対流によって外部の領域へ熱を逃がします。この例では、電子筐体の外部領域を作成しません。このデバイスは 20 ℃の環境温度下にあると仮定し、外壁境界条件を適用して周囲への熱伝導を模擬します。
2.8.2. FAN OUTLET
SimScaleのFan境界条件で、ユーザーはファンカーブを定義できます。以下のステップで設定してください。
- Boundary conditionsの隣にある+をクリックし、リストからFanを選択します。
- ファンが流体領域から空気を排出するように、Fan TypeをOutletに設定します。
- 6つのアウトレット面を境界条件に割り当てます。
- グラフアイコンをクリックし、テーブル入力でファンカーブを定義します。
図24:ファンカーブは流れの方向によって、出口として、または、入口として定義できます。
テーブル入力ウィンドウで、体積流量とそれに対応するファン圧力を定義するよう促されます。以下のリンクを使ってCSVファイルをダウンロードし、テーブル設定ウィンドウにアップロードしてください。
SimScale_Fan_Curve_Electronic_Box_Tutorial.csv
図25: .csvファイルのアップロード後のファンカーブ設定画面
CSVファイルのアップロードが完了したら、Applyを押して保存します。
| Tips |
| このチュートリアルはFan境界条件の設定手順を説明していますが、出口での特定の流量を調べたい場合、velocity outletを使用することも可能です。 |
2.8.3. INLET – NATURAL CONVECTION INLET OUTLET
電子筐体への気流については、Natural convection inlet/outlet境界条件を定義します。この境界条件は、領域への流入、流出を許容し、流入する場合は温度値を固定します。
新しい境界条件を作成し、Natural convection inlet/outletタイプを選択します。Ambient temperatureを20 ℃に設定し、7つの流入面に割り当てます。
図 26: この構成では、ドメインへの空気の流入はすべて20℃に設定されます。
2.8.4. THERMAL WALL – HOUSING
最後に、周囲温度が電子機器に与える影響を定義します。電子ボックスの周囲の気流を解析しないため、筐体と周囲環境の間の対流熱流束を考慮し、筐体の外側の面にTheramal wallの境界条件を使用します。
新しい境界条件を作成し、タイプとしてWallを選択します。熱流束モデルの設定は、下図に示すとおりです。
図27: 外壁の熱流束の条件設定
Wallの境界条件を作成した後、Temperature typeをExternal wall heat fluxに変更します。Heat fluxをDerived heat fluxとし、Heat transfer coefficientを10 W/K m2、Ambient temperatureを20 ℃に定義します。筐体の10個の外面すべてにこの境界条件を適用します。
| 未定義の表面 |
| 境界条件や接触に割り当てられていない面は、断熱壁として扱われます。そのような面は、面を横切る熱流束がないものとして扱われます。 |
2.9. Advanced Concepts – Defining Power Sources
電子デバイスのコンポーネントは電流により、熱を発生させます。任意のコンポーネントからの放熱量をPower sourceとして定義することができます。このチュートリアルでは、メイン CPU とその他の小型チップに電源を割り当てることにします。
次の表は、電源の発熱量と対応するSaved selectionsについて説明しています。
表2: 各電子部品の電力消費量
| Saved selections | Power Source [𝑊] |
| Main Board Large Chip | 60 |
| Small Chip | 0.8 |
| Board Flat Chip | 2 |
個々の電源の構成は、以下で説明しています。
2.9.1. MAIN BOARD LARGE CHIP
- Advanced conceptsでPower sourcesの横の+を押してAbsolute power sourceを選択します。
- Power source valueを定義します。ここでは60 Wとします。
- Main Board Large Chipに割り当てます。
図 28: CPU をAbsolute power sourceとしてモデル化する
| 未定義の表面 |
| 多くの異なる熱源を設定できます。また、熱を発生する電子部品がモデル内にない場合、シミュレーション設定中に定義したGeometry primitiveに電源を割り当てる方法もあります。 |
次の図は、このチュートリアルで適用される熱源の条件を示しています。上記と同じ手順で設定してください。
2.9.2. SMALL BOARD CHIPS
図 29: この設定では、6 個のチップはそれぞれ 0.8 W、合計で 4.8 Wの発熱量となります。
複数のボリュームに対してAbsolute power sourceを定義する場合、電源の値は割り当てられたボリュームのそれぞれに設定されることに留意してください。
2.9.3. BOARD FLAT CHIPS
図 30:各Board Flat Chipに2 Wの発熱量を定義する
| 電子機器の冷却解析でよく使われるAdvanced concepts |
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Rotating zones: CADモデルに回転領域が含まれている場合、ここでその回転条件を設定できます。 Thermal resistance networks: ここでは、簡略化された熱抵抗を定義することができます。 Momentum sources: ファンのジオメトリがない場合に、ファンを簡略化してモデル化できます。 |
2.10. Simulation Control
Numericsのデフォルト設定は、通常そのままで問題ありません。解析について経験豊富なユーザーは、よりスムーズな収束のために手動で設定を変更できます。
Simulation Controlの設定は、シミュレーションの一般的な制御を定義します。ここでは、Maximum runtimeを30,000 sに設定し、1,000回の反復の最後までシミュレーションが実行されるようにします。
図 31: 定常状態のSimulation controlにおいて、End timeはソルバーが実行する反復回数を表します。
2.11. Result Control
デフォルトの設定では、流体領域内のすべてのセルについて、速度、圧力、密度、温度、および輻射の変数が保存されます。反復計算ごとにそれらの変化は収束プロットに表示されます。
Result Controlにより、計算中の領域内の任意の点または面における値の推移を観察できます。このチュートリアルでは、電子筐体を通過する気流を解析するために、2つの制御項目を作成します。
2.11.1. OUTLET TEMPERATURE
出口での空気の温度を評価するために、流出面上にArea averageを作成します。これにより、圧力、温度、速度など、流出面上の平均値が反復ごとに出力されます。下図に示す手順に従ってください。
- Result controlのSurface dataの横にある+を押し、Area averageを選択します。
- それを 6 つの流出面に割り当てます。
図 32: 流出面でのArea averageのResult Control
2.11.2. VOLUMETRIC FLOW RATE
同様の手順で、新しいResult controlを作成しますが、今回はArea integralを選択します。この結果コントロールは、関心のある面上で積分するため、体積流量の評価に役立ちます。
以下のように、6つの流出面に割り当てます。
図 33: Area integralのResult controlは、体積流量をプロットするのに役立ちます。
Result controlを使用すると、計算領域で関心のあるパラメータをプロットできます。例えば、流量、圧力損失、特定の表面の温度などは、一般的に使用されます。
2.11.3. CPU TEMPERATURE
最後に設定するResult controlは、Main Board Large Chipの上面に割り当てられたArea averageです。チップ上での平均温度をプロットします。
図 34: CPU表面での平均温度
3. Mesh
デフォルトのメッシュ設定でも、通常、良好なメッシュが作成されます。このチュートリアルでは、以下に示すように設定します。
図 35: グローバルメッシュの設定
Finenessを2に、Small feature suppressionを1e-5 mに調整します。
| Tips |
| Standardメッシュには、メッシュの細分化や微調整を含む、カスタマイズのための多くのオプションがあります。興味のあるユーザーは、このページをご覧ください。 |
| 計算実施済みのプロジェクト |
| 解析条件の設定とシミュレーション計算がすでに実施済みのプロジェクトをこちらからご確認いただけます。 |
4. 解析の実行
すべての設定が完了したら、Simulation Runsの隣にある+をクリックし、解析を開始します。こうすることで、メッシュが生成され、その後自動的にシミュレーション実行が開始されます。
結果が計算されている間、ポストプロセッサーで中間結果を見ることができます。これらはリアルタイムで更新されています。
5. ポスト処理
シミュレーションが完了したら、Convergence plotとSolution fieldを確認できます。以下のように、解析ツリー上でクリックすると、それぞれにアクセスできます。
図36: シミュレーション終了後、Post-process results または Solution Fields をクリックすると、結果を確認することができます。
5.1. 収束プロットと流体温度の確認
シミュレーションの実行中および終了後、収束の様子を観察できます。定常解析の場合、流れ場の特性がそれ以上変化しないところまで収束するはずです。
5.1.1. Convergence Plot
タイムステップごとに、ソルバーがメッシュの各セルに対して解を計算します。残差は、それらの結果の差を意味します。したがって、残差が小さいほど解は安定していることになります。それを収束と呼びます。次の図は、解の変数の収束プロットです。
- 終了したSimulation runを選択します。
- Convergence Plots と Residuals を開きます。
図37: 収束プロットは、シミュレーション中の残差の傾向を示しています。
チュートリアルでは、すべてのグラフが1e-2以下であり、一部は1e-3以下となっています。これは解が収束に向かっていることを示します。
5.1.2. Result Control
作成されたResult controlで、興味のある面の結果を分析できます。出口温度は、収束と設計のパフォーマンスを評価するために適したパラメータです。各流出面の温度に関する結果は以下のとおりです。
図 38: 出口温度の結果
このプロットを見ると、ほとんどの温度がほぼ水平状態で、結果が定常状態に近づいていることを意味します。最高温度は 298.2 K (25 ℃)です。すべての面の温度を平均すると、平均出口温度は295.4 K(22.2 ℃)となり、入口と出口の間で21 ℃上昇していることになります。
5.2. Surfaceの可視化
異なる温度と流れ場を視覚的に見てみましょう。これは、解析ツリーからSolution Fieldsを選択するか、Simulation runからPost-process resultsを選択することで行うことができます。
5.2.1. メイン基板の温度
最初に、メインボードの温度を確認します。そのため、Cutting planeを非表示にし、Parts Color の Coloring に Temperature を選択します。単位を ℃ に変更します。色の遷移をスムーズにして可視化の品質を向上させるには、以下のステップ3のように、下部の凡例バーを右クリックし、Use continuous scaleを選択します。
- Cutting planeをオフにします。
- 温度単位を ℃ に切り替えます。
- 凡例を右クリックし、Use continuous scaleを選択します。
図 39: Use continuous scaleを選択すると、異なる温度間の表示がより滑らかになります。
外側のパーツを隠して、中のチップを見ることができます。例えば、内部パーツを可視化するには、ジオメトリツリーのHousingを非表示にします。または、パーツ選択をアクティブにして、Housingを選択し、右クリックメニューのHide the selectionで非表示にすることができます。
図40: ハウジングと流体領域を非表示にすることで、基板などの内部パーツの温度分布を見ることができます。
温度が部品だけでなく、メインボードのPCBにも影響を及ぼしていることが分かります。
図41: 強制対流による温度分布
出口に近いチップの温度がかなり高いことがわかります。それらが流れの真ん中にさらされていないため、理にかなった結果と考えられます。さらに、流路の始点ではすでにある程度の熱が空気に移動しているため、冷却効率が低下していることもわかります。
5.3. 断面表示
次に、筐体内部の断面を見てみたいと思います。以下の手順で行います。
- Parts colorをオフにするとすべての部品が非表示になり、Cutting Planeをオンにすると表示されるようになります。
- 方向はX軸を選択します。この軸に垂直な平面が原点を基準に自動的に生成されます。
- ColoringのパラメータとしてTemperatureを選択します。
- Vectorsをトグルします。
- Solid colorに切り替え、白色を選択します。
- Scaling factorを0.06に、Grid spacingを0.01に設定します。
- Project vectors onto planeを有効にします。
図 42: 強制対流なしの温度分布のある断面
5.4. 流線表示
最後に、流線を表示するために、Particle traceフィルターを追加します。開口部をシード面として使うには、部品のカラーリングを有効にします。また、Cutting planeは必要ないためオフにします。
- 流体領域が表示されていることを確認します。
- フィルターからParticle traceを選択します。
- シード面となる流入面を1つ選択します。
- 水平方向と垂直方向の # Seeds を調整し、インレット面をおおよそカバーするように設定します。
- Spacingを0.007に設定して、流線の間隔を広げます。
図43: 流線の始点となるシード面を選択する。
セットアップを終了し、HousingとFlow regionを隠すと、下図のような結果になります。
図44: 流体領域の流線が速度値で色づけされている様子
SimScaleのオンラインポストプロセッシング機能の一般的な概要については、このドキュメントをご利用ください。
おめでとうございます。チュートリアルは終了です。