概要
Result control (結果出力コントロール) では、ポストプロセッサでコンター図で可視化する値の選択のほか、あらかじめ選択した特定のジオメトリ(点・エッジ・面・ボリューム)に関する解析結果値などの出力設定を行えます。
出力できる結果データの種類
構造解析の Result control (結果出力コントロール) は、選択した解析タイプによって異なります。利用可能なすべての構造解析タイプのリストは、 解析タイプのページにあります。一般的に選択可能な結果データの種類は以下の通りです。
- Solution field (ソリューション・フィールド):
- 解析する形状全体に対して分布として出力する値。こういったデータをSimScaleでは field (フィールド) と呼びます。デフォルトでも代表的な値は出力されるよう設定されていますが、追加で分布を確認したい値については、ここで設定が必要です。
- 利用可能な出力値と解析タイプの詳細は本ページの各解析タイプごとのセクションをご覧ください。
- 出力データはオンラインポストプロセッサーを使用して可視化および確認することができ、ParaViewのような外部のポストプロセッサーで使用できるフォーマットでダウンロードもできます。
- Edge calculation (エッジ計算):
- 指定されたエッジに属するすべての節点に対して、指定された値の統計量を計算します。
- Area calculation (面積計算):
- 指定された面に属するすべての節点に対して、指定された値の統計量を計算します。
- Volume calculation (体積計算):
- 割り当てられたボリュームに属するすべての節点に対する与えられた値の統計量の計算
- Point data (点データ):
- 指定された点において結果値をサンプリングします。点の位置は、 ジオメトリプリミティブのポイントを作成して指定します。(ジオメトリプリミティブでは、X, Y, Z座標の直接指定、またはビューアでの選択で位置を指定できます。)出力値は、最も近いメッシュ節点の補間によって計算されます。
ジオメトリの統計データの計算 (Edge calculation, Area calculation, Volume calculation) と Point data では、結果はグラフ形式で表示され、表形式でデータをダウンロードすることもできます。
ジオメトリの統計データの計算 (Edge calculation, Area calculation, Volume calculation)ジオメトリの統計データ出力の設定項目を説明いたします。
図2: エッジ、面積、体積の計算 結果コントロール; Min-Max、Average 、 Sum 形式の統計データ。
- ~~ calculation (統計計算):
- Min / Max (最小・最大):
- 指定された値の最小値と最大値は、割り当てられたジオメトリに属するすべてのメッシュ節点(たとえば、特定の面に属するすべての節点)に対して計算されます。
- Average (平均):
- 指定されたフィールドの平均値は、割り当てられたジオメトリ(エッジ、面、ボリューム)に属するすべてのメッシュ節点にわたって計算されます。
- Sum (合計):
- 指定されたジオメトリ(エッジ、フェース、またはボリューム)に属するすべてのメッシュ節点にわたる、指定されたフィールドの値の合計。
- Min / Max (最小・最大):
- Field selection (フィールドの選択):
- 出力する値(物理パラメータ)を選択します。選択できる値の種類は、後述の各解析タイプに関する記載をご覧ください。
- Component selection (成分の選択):
- 変位や応力といったベクトルやテンソル量で、値に複数の成分が含まれる場合は、方向成分を選択します。
- All components (全成分) を選択した場合、各成分の最小値と最大値を取得します。
Static で出力可能なデータ
Static (静解析) 解析タイプの線形または非線形 (Nonlinear) シミュレーションでは、以下の解析データと分類が利用できます:
- Displacement (変位):
- Nodal displacements (節点変位):
- モデル内の各節点の変位ベクトルで、グローバル座標系成分DX、DY、DZで表されます。
- Nodal displacements (節点変位):
- Force (力):
- Reaction force (反力):
- モデルの節点上で計算された反力です。このフィールドは、Fixed support 、 Fixed value 、または Symmetry plane 変位境界条件が課された面でのみ非ゼロになります。グローバル座標系成分X、Y、Zで表されます。
- Nodal force (節点力): モデルの節点で計算された適応された力。このフィールドは、荷重境界条件( Force 、Pressure など )を持つエンティティ上でのみ非ゼロになります。グローバル座標系成分 X, Y, Z で表されます。
- Reaction force (反力):
節点力と反力の違いの詳細については、こちらを参照してください:
・Nodal force (節点力) と Reaction force (反力) の違いは何ですか?
- Moment (モーメント):
- Reaction moment (反力モーメント):
- 節点での 反力 \(\vec{F}\) と、基準点から節点を指すベクトル\(\vec{r}\) (例: \(\vec{M} = \vec{r} \times \vec{F} \) )から計算されます。反力と同様に、このフィールドは、変位が課された面でのみ非ゼロとなります。ベクトルとしては、グローバル成分X、Y、Zで表され、右手の法則に従って決定されます。
- Nodal moment (節点モーメント):
- 節点力と、基準点から各節点を指すベクトルから計算されます。節点力と同様に、このフィールドは荷重境界条件に割り当てられたエンティティでのみ非ゼロになります。ベクトルとしては、グローバル成分X、Y、Zで表され、右手の法則に従って決定されます。
- Reaction moment (反力モーメント):
- Strain (ひずみ):
- Total strain (全ひずみ):
- 微小変形理論に基づき、節点変位から計算されるひずみテンソルです。軸方向(EPXX、EPYY、EPZZ)およびせん断方向(EPXY、EPXZ、EPYZ)のグローバル成分で表現されます。
- Principal strain (主ひずみ):
- 軸ひずみが最大になるときの3つの軸方向と値の組み合わせです。3つの主ひずみは、値の小さい方から大きい方へ並べられます(PRIN_1、PRIN_2、PRIN_3)。各主ひずみについて、対応する方向はベクトル成分として与えられます(PRIN_1についてはVECT_1_X、VECT_1_Y、VECT_1_Z、方向2と3については同様)。
- Total nonlinear strain (全非線形ひずみ):
- グリーン・ラグランジュのひずみテンソルです。軸方向(EPXX、EPYY、EPZZ)とせん断方向(EPXY、EPXZ、EPYZ)のグローバル成分で表現されます。
- Total equivalent plastic strain (全相当塑性ひずみ):
- 応力-ひずみ曲線の塑性領域に対応するフォンミーゼスの等価ひずみです。このフィールドの値が ゼロの場合は、材料に塑性変形が発生していない(または材料モデルが塑性を考慮していない)ことを意味します。
- Unelastic strain (非弾性ひずみ):
- SimScaleポストプロセッサでは「 Plastic strain (塑性ひずみ)」と呼ばれています。弾性ひずみを差し引いて計算された非線形ひずみテンソル全体の塑性成分に相当します。軸方向(EPXX、EPYY、EPZZ)およびせん断(EPXY、EPXZ、EPYZ)のグローバル成分で表されます。
- Total strain (全ひずみ):
- Stress (応力):
- Cauchy stress (コーシー応力):
- 変形と材料特性から計算される応力テンソル。軸方向(SIXX, SIYY, SIZZ)とせん断方向(SIXY, SIXZ, SIYZ)のグローバル成分で表現されます。
- Principal stress (主応力):
- 軸方向応力が最大になるときの3つの軸方向と対応する値の組み合わせです。3つの主応力は、小さい値から大きい値(PRIN_1、PRIN_2、PRIN_3)の順に与えられます。各主応力値について、対応する方向はベクトル成分で与えられます(PRIN_1についてはVECT_1_X、VECT_1_Y、VECT_1_Z、方向2と3については同様)。
- Tresca stress (トレスカ応力):
- 主応力から計算される等価せん断応力。降伏の最大せん断応力説に関連します。
- Von Mises stress (フォンミーゼス応力):
- 主応力から計算される等価軸方向応力。降伏の最大せん断ひずみエネルギー説に関連しています。
-
- 主応力から計算される等価軸方向応力。降伏の最大せん断ひずみエネルギー説に関連しています。
- Signed von Mises stress (符号付きフォンミーゼス応力):
- フォンミーゼス応力にコーシー応力テンソルのトレースの符号を乗じたものです。材料のどの点が引張(正の符号)または圧縮(負の符号)下にあるかを調べるのに役立ちます。
- Cauchy stress (コーシー応力):
- Contact (接触):
- Pressure (圧力):
- 有効な Physical contact (物理的接触)の作用により表面にかかる圧力の分布です。圧力は、コーシー応力テンソル\(\sigma\) と変形形状\(\vec{n}\) から計算された法線ベクトルを用いて表面の各節点で計算されます:
$$ p = (\sigma \cdot \vec{n}) \cdot \vec{n} $$
- 有効な Physical contact (物理的接触)の作用により表面にかかる圧力の分布です。圧力は、コーシー応力テンソル\(\sigma\) と変形形状\(\vec{n}\) から計算された法線ベクトルを用いて表面の各節点で計算されます:
- State (状態):
- Physical contact (物理的接触) において接点の状態に関連するフィールドのセットを取得します。ポストプロセッサーでは、「Contact Results」として表記され、以下の値で構成されます:
- Contact state (接触状態):
- 接触なしは0、密着した接触(摩擦を考慮した場合のみ可能)は1、すべり接触は2、相互貫入は3の値をとります。
- Contact gap (接触ギャップ):
- スレーブサーフェスの節点とマスターサーフェスの最も近い要素の間の距離を法線方向に投影した値です。
- Contact normal force (接触法線力):
- 接触による法線方向反力の大きさです。
- Contact state (接触状態):
- Physical contact (物理的接触) において接点の状態に関連するフィールドのセットを取得します。ポストプロセッサーでは、「Contact Results」として表記され、以下の値で構成されます:
- Pressure (圧力):
Dynamic で出力可能なデータ
Dynamic (動解析)では、静解析で扱えるすべてのソリューションフィールドに加え、以下のフィールドを使用できます:
- Velocity (速度)
- Nodal velocities (節点速度):
- モデル内の各節点の速度ベクトルです。グローバル成分X、Y、Zで表現されます。
- Nodal velocities (節点速度):
- Acceleration (加速度):
- Nodal accelerations (節点加速度): モデル内の各節点の加速度ベクトルです。グローバル成分X, Y, Zで表現されます。
Heat transfer と Thermomechanical で出力可能なデータ
Thermomechanical (熱応力解析)では、利用可能なフィールドは Static (静解析)と同じです。グローバル設定で Inertia effect (慣性の効果) をオンにした場合は、 Dynamic (同解析)と同様の項目も扱えます
Heat transfer (熱伝導解析)と Thermomechanical (熱応力解析)ではこれらに加えて、以下の熱に関するフィールドを利用可能です。
- Temperature (温度):
- モデル内の各節点の温度(スカラー値)です。
- Heat flux (熱流速) :
- モデル内の各節点の熱流速ベクトルです。グローバル成分X、Y、Zで表されます。単位面積あたりの単位時間あたりのエネルギーの単位\(J / (s \cdot m^2)\)または単位面積あたりの電力の単位\(W / m^2\) です。
- Heat flow (流入出熱量):
- Area calculation (面積計算)で利用可能で、選択された面を通して領域から出る、または領域に入る、単位時間あたりの総熱量(\(J/s\))、または電力(\(W\))を取得します。このフィールドは、選択した面上の熱流束の 積分として計算されます。
Frequency analysis で出力可能なデータ
Frequency analysis (固有値解析)では 、利用可能な Solution field (ソリューションフィールド) は節点変位のみです(詳細は上記の静解析の項目をごらんください)。ただし、固有値解析では計算された変位の大きさは物理的な意味を持たず、互いに対する相対的なもので、変形が最大となる成分(X、Y、またはZ)上で最大値1\(m\) になるように正規化されます。
| Modal effective mass (MEM, モーダル有効質量) |
|
表あるいはプロットとして、 Modal effective mass (モーダル有効質量)と関連するモデルの振動に関する派生量が得られます。以下はそれぞれの量の定義です。
|
Harmonic analysis で出力可能なデータ
Harmonic analysis (周波数応答解析) では、以下のフィールドを利用できます。各フィールドの定義は、 Static および Dynamic タイプと同様です。
- Displacement (変位)
- Absolute (絶対変位)
- Relative (相対変位)
- Force (力)
- Reaction force (反力)
- Nodal force (節点力)
- Strain (ひずみ)
- Total strain (全ひずみ)
- Stress (応力)
- Cauchy stress (コーシー応力)
- Von Mises stress (フォンミーゼス応力)
- Von Mises stress (Max over Phase) (全位相での最大フォンミーゼス応力)
- Velocity (速度)
- Acceleration (加速度)
周波数応答解析では、フィールドデータは時間ではなく加振周波数の関数であるため、各フィールドは 位相角でモデル化されます。結果として得られるフィールドは、次の2つの表現のいずれかで取得できます。
- Magnitude and phase (大きさと位相):
- フィールドの値の物理的な大きさと荷重に対するラジアン単位の位相角の遅れ。
- Real and imaginary (実部と虚部):
- 複素数で振動を表現したときの実部と虚部の成分です。これらの成分は、それ自体では物理的な意味を持たないため、デフォルトでは Magnitude and phase (大きさと位相) の表現を使用することをお勧めします。
| 重要 |
|
周波数応答解析だと Von Mises stress (フォンミーゼス応力)は、指定された周波数でのピーク応力成分に基づいた計算結果を出力するため、ピーク値が保守的に推定されます。一方、Von Mises stress (Max over Phase) (全位相での最大フォンミーゼス応力)は、指定された周波数において全位相角での最大フォンミーゼス応力を探索するようにして出力します。 そのため、材料の減衰を考慮する場合や、0°とは異なる位相角の応力成分を含むシミュレーション設定の場合は、Max over Phaseの結果が推奨されます。 |
最終更新日: 2023年10月26日