Thermomechanical
Thermomechanical では、熱伝導解析を実施した後に応力解析を実施します。これによって、設定した熱荷重条件による温度分布を計算し、それをもとに熱膨張・熱応力を計算します。SimScaleでは、構造解析のソルバーとして Code_Aster が使用されています。
図1: Thermomechanical で得られたバルブに生じる熱応力の解析結果
Thermomechanical シミュレーションの作成
Create Simulation から、解析の種類を選択できます。 Thermomechanical は、下図で矢印で表示されています。
図2: Create Simulation画面
解析タイプを選択して新たにシミュレーションを作成すると、以下のようにシミュレーションツリーが表示されます。次節からは、それぞれの設定項目の概要を紹介していきます。
図3: Thermomechanical のシミュレーションツリー
Global Settings
シミュレーションツリーのトップに表示されるシミュレーションの名前(図3でいうと Static )をクリックすると、グローバル設定の設定パネルが表示されます。Static で設定できる項目は以下の通りです。
-
Time dependency
- 時間依存性を変更できます。 Steady-state で定常解析、 Transient で非定常解析となります。
-
Transient とした場合、以下の項目を変更できます。
-
Inertia effect
- 衝突など大きな加速度を伴う場合は Dynamic に変更すると慣性の効果を考慮できます。
-
Nonlinear analysis
- この項目を有効にすると、非線形材料モデル・大変形・接触を含んだ非線形解析が可能になります。 Contacts や Materials で非線形解析の設定ができるようになります。
-
Inertia effect
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Geometry
シミュレーションで使用するジオメトリ(CADモデル)を選択します。
Contacts
複数パーツ (ボディ) で構成されるアセンブリモデルを使用する場合は、パーツ間の接触を設定します。最初の状態で、全ての接触面に対して自動的に Bonded (固着) が定義されており、パーツ同士が完全に接合された状態となっています。ここで、もしも Sliding (スライド) などに変更したい場合は個別に設定を作成します。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Physical contacts
Nonlinear analysis をオンにして非線形解析を有効にした場合、サーフェスの組み合わせを指定することで、パーツ同士の摩擦やめり込みを考慮した接触解析を行えます。最初の状態で、指定する面同士が接触している必要はありません。接触を判定した際に、相互に力を及ぼす計算がなされます。
計算手法は以下を使用できます。
- Penalty method (ペナルティ法)
- Augmented Lagrange method (拡張ラグランジュ法)
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Connectors
パーツ間のピン結合とボルト結合を、実際にピンやボルトのCADモデルを作成せずに数値モデルに置き換えて解析できます。
- Pin connectors: ピン結合
- Bolt connectors: ボルト結合
詳細は、こちらのページをご覧ください。
Element Technology
有限要素解析で用いる要素について設定を行えます。初期設定では Automatic となっており、解析タイプや条件設定に応じて自動的に設定がなされます。 Custom とすると下記の項目を手動で設定できます。
-
Mechanical mesh order
- 要素の次数を First (1次) と Second (2次) から選択できます。2次要素の方が精度が上がる一方、計算に要する時間が増加します。
-
Reduced integration
- トグルをオンにすると、低減積分で計算します。低減積分では剛性が箇条に高く計算されるロッキングを回避できる一方、アワーグラスモードと呼ばれる現象が生じる可能性があります。
-
Lumped mass
- 計算内でThermal mass行列Mを対角化することで収束計算の短縮、メモリ使用の削減といった効果が得られます。
Element Definitions
Element technology で Definition を Custom とした場合にのみ表示され、設定できます。特定のボディに対して、 Reduced integration と Lumped mass の設定を変更できます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Model
解析全体に対して作用する重力加速度の大きさを設定できます。自重による変形を計算したい場合は、適切な方向を指定します。
Nonlinear を有効にした場合、 Geometric behavior の設定を変更できます。大変形や回転が想定される場合は、 Nonlinear にしてください。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Materials
材料物性を設定します。材料ライブラリから使用するものを選択してください。該当するものが標準のリストにない場合あるいは物性値を編集したい場合は、どれかひとつを選択してApplyをクリックした後に設定パネルで名前や値を編集できます。 Nonlinear を有効にした場合は、弾塑性モデル・超弾性モデルといった非線形材料モデルもご利用いただけます。応力-ひずみ線図で非線形挙動を定義することもできます。
複数の材料を設定する場合は、ひとつのパーツ・ボディに対して設定できるのは一種類の材料のみです。重複しないようにお気をつけください。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Initial Conditions
Transient の場合のみ時刻0の時点での初期状態を設定します。モデル全体あるいは一部 (Subdomain) に対して初期値を設定できます。
設定できる変数は、グローバル設定での設定によって異なります。デフォルトでは、 Temperature (温度) は20℃、それ以外は0となっています。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Boundary Conditions
境界条件として、機械的な拘束と荷重および、熱的な条件を設定します。
拘束と荷重
境界条件として拘束と荷重を定義します。ジオメトリの位置を固定としたい場合は、各方向に対して最低ひとつずつは拘束が必要です。そうでなければ、自由度を持って移動できることになります。落下試験のような場合は、落下物に拘束は設定せずに自由に移動できるようにします。
重力による自重を含めて、荷重あるいは強制変位の設定がなければ変形は生じません。ただし、はめ込まれた部品に生じる応力を見る場合などは荷重条件を設定しない場合もあります。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
温度と熱流束
温度と熱荷重の境界条件を設定します。以下の条件を設定できます。
- Fixed value temperature (指定温度)
- Convective heat flux (対流による熱流束)
- Surface heat flux (面積あたりの熱流束)
- Volume heat flux (体積あたりの熱流束)
温度の設定と熱流束の設定を同じ面に適用することはできませんのでご注意ください。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Numerics
計算に使用されるソルバーを選択できます。直接ソルバーや反復ソルバーの種類を選択でき、これによって計算時間や必要なメモリが異なります。その他、ソルバーに応じて詳細な設定が可能です。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Simulation Control
時間ステップや収束計算の設定値、並列計算のプロセッサ数など、シミュレーション計算の設定を行えます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Result Control
標準で設定されている結果の項目の他に、追加で出力項目を設定できます。 Solution fields で設定できる変数は、グローバル設定で設定した解析内容に応じて異なります。 Static, Dynamic, Heat transfer に準じます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Mesh
空間を離散化して有限要素法で計算するためには、細かな要素にメッシュ分割します。構造解析では、 Standard アルゴリズムを使用できます。
メッシュに関する項目の詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
サンプルプロジェクト
Thermomechanical を用いて計算されたサンプルプロジェクトを紹介します。
- チュートリアル:エンジンピストンの熱応力解析
- Validation Case: Design Analysis of a Spherical Pressure Vessel
- Validation Case: Thermal Stress Analysis of Polymeric Photo-Thermal Microactuator
関連する記事
Thermomechanical に関連する記事は、以下からご覧いただけます。