Dynamic
Dynamic では、単一あるいは複数のボディで構成される固体ジオメトリに生じる動的な(時間依存のある)変位・応力・ひずみを解析できます。Static (静解析) と異なり、慣性の効果を考慮した計算が行われるため、高速な現象の解析に適しています。また、計算内の時間は実時間に対応します。SimScaleでは、構造解析のソルバーとして Code_Aster が使用されています。
図1: Dynamic で得られた頭蓋骨が衝突したときの解析の結果
Dynamic シミュレーションの作成
Create Simulationから、解析の種類を選択できます。Dynamicは、下図で矢印で表示されています。
図2: Create Simulation画面
解析タイプを選択して新たにシミュレーションを作成すると、以下のようにシミュレーションツリーが表示されます。次節からは、それぞれの設定項目の概要を紹介していきます。
図3: Dynamic のシミュレーションツリー
Global Settings
シミュレーションツリーのトップに表示されるシミュレーションの名前(図3でいうと Dynamic )をクリックすると、グローバル設定の設定パネルが表示されます。Dynamic では設定項目はありません。
Geometry
シミュレーションで使用するジオメトリ(CADモデル)を選択します。
Contacts
複数パーツ (ボディ) で構成されるアセンブリモデルを使用する場合は、パーツ間の接触を設定します。最初の状態で、全ての接触面に対して自動的に Bonded (固着) が定義されており、パーツ同士が完全に接合された状態となっています。ここで、もしも Sliding (スライド) などに変更したい場合は個別に設定を作成します。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Physical contacts
Nonlinear analysis をオンにして非線形解析を有効にした場合、サーフェスの組み合わせを指定することで、パーツ同士の摩擦やめり込みを考慮した接触解析を行えます。最初の状態で、指定する面同士が接触している必要はありません。接触を判定した際に、相互に力を及ぼす計算がなされます。
計算手法は以下を使用できます。
- Penalty method (ペナルティ法)
- Augmented Lagrange method (拡張ラグランジュ法)
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Connectors
パーツ間のピン結合とボルト結合を、実際にピンやボルトのCADモデルを作成せずに数値モデルに置き換えて解析できます。
- Pin connectors: ピン結合
- Bolt connectors: ボルト結合
詳細は、こちらのページをご覧ください。
Element Technology
有限要素解析で用いる要素について設定を行えます。初期設定では Automatic となっており、解析タイプや条件設定に応じて自動的に設定がなされます。 Custom とすると下記の項目を手動で設定できます。
-
Mechanical mesh order
- 要素の次数を First (1次) と Second (2次) から選択できます。2次要素の方が精度が上がる一方、計算に要する時間が増加します。
-
Reduced integration
- トグルをオンにすると、低減積分で計算します。低減積分では剛性が箇条に高く計算されるロッキングを回避できる一方、アワーグラスモードと呼ばれる現象が生じる可能性があります。
Element Definitions
Element technology で Definition を Custom とした場合にのみ表示され、設定できます。特定のボディに対して、低減積分の設定を変更できます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Model
解析全体に対して作用する重力加速度の大きさを設定できます。自重による変形を計算したい場合は、適切な方向を指定します。
大変形や回転が想定される場合は、Geometric behavior の設定を Nonlinear とします。 Dynamic ではデフォルトのまま Nonlinear の利用を推奨します。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Materials
材料物性を設定します。材料ライブラリから使用するものを選択してください。該当するものが標準のリストにない場合あるいは物性値を編集したい場合は、どれかひとつを選択してApplyをクリックした後に設定パネルで名前や値を編集できます。弾塑性モデル・超弾性モデルといった非線形材料モデルもご利用いただけます。応力-ひずみ線図で非線形挙動を定義することもできます。
複数の材料を設定する場合は、ひとつのパーツ・ボディに対して設定できるのは一種類の材料のみです。重複しないようにお気をつけください。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Initial Conditions
Dynamic では構造の時系列の変化を解析するため、ここで設定する初期状態がまさに現象の最初の状態となります。したがって、この設定次第で解析の結果が大きく異なる場合もあります。
次の、時間依存の変数について初期値を設定できます。 Subdomain から特定のパーツに初期値を設定することも可能です。
- Displacements (変位)
- (U) Velocities (速度)
- (a) Accelerations (加速度)
- (σ) Stress (応力)
なお、デフォルトではすべての項目が 0 になっています。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Boundary Conditions
境界条件として拘束と荷重を定義します。ジオメトリの位置を固定としたい場合は、各方向に対して最低ひとつずつは拘束が必要です。そうでなければ、自由度を持って移動できることになります。落下試験のような場合は、落下物に拘束は設定せずに自由に移動できるようにします。
重力による自重を含めて、荷重あるいは強制変位の設定がなければ変形は生じません。ただし、はめ込まれた部品に生じる応力を見る場合などは荷重条件を設定しない場合もあります。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Numerics
計算に使用されるソルバーを選択できます。直接ソルバーや反復ソルバーの種類を選択でき、これによって計算時間や必要なメモリが異なります。その他、ソルバーに応じて詳細な設定が可能です。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Simulation Control
時間ステップや収束計算、並列計算のプロセッサ数など、シミュレーション計算の設定を行えます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Result Control
標準で設定されている結果の項目の他に、追加で出力項目を設定できます。デフォルトでは、 Deformation (変位), Cauchy stress (コーシー相当応力), Von Mises strain (フォンミーゼス相当応力), Total nonlinear strain (全ひずみ), Velocity (速度), Acceleration (加速度) の分布データが出力されるよう設定されています。以下を追加で設定できます。
-
Solution fields (分布データ)
- Force (力): Reaction force (反力), Nodal force (節点力)
-
Strain (ひずみ): Total nonlinear strain (全塑性ひずみ), Total equivalent plastic strain (全相当塑性ひずみ), Unelastic strain (非弾性ひずみ), Principal strain (Green-Lagrange) (主ひずみ (グリーンラグランジュひずみ)),
-
- Principal strain (engineering) (主ひずみ (公称ひずみ))
-
- Stress (応力): Principal stress (主応力), Signed von Mises stress (符号付フォンミーゼス応力)
-
Area calculation / Volume calculation (面あるいはボリュームの統計データ)
- Min-max (最大-最小), Average (平均値), Sum (和)
-
Point data (ポイントデータ)
- Surface solution で指定できる各値を、指定したポイントについて出力します。ポイントはジオメトリプリミティブで指定します。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Mesh
空間を離散化して有限要素法で計算するためには、細かな要素にメッシュ分割します。構造解析では、 Standard アルゴリズムを使用できます。
メッシュに関する項目の詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
サンプルプロジェクト
Static を用いて計算されたサンプルプロジェクトを紹介します。
- チュートリアル:衝撃緩衝材(クラッシュアッテネータ)の衝突解析
- Human Skull Impact – With and Without a Helmet
- Nonlinear Dynamic Analysis of a Valve Spring Assembly
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