概要
Remote displacement (リモート変位)境界条件では、モデルに接続された遠隔点の変位値を指定できます。一般的な変位境界条件 (Displacement) と比較して、次のような利点があります。
- 割り当てられたエンティティに変形動作の設定を追加できる
- 回転変位条件を適用できる
以下の解析タイプでご利用いただけます。
設定項目
Remote displacement の設定パネルを示します。
設定項目は以下の通りです。
- Displacement (変位)
それぞれの並進方向について、✅で変位の拘束なしとするか拘束を定義するか設定できます。各定義値は、メートルまたはインチで、スカラー値、関数、または表で定義できます。関数またはテ表データの場合、値は時間(または調和解析の場合は周波数)または空間座標に依存します。 - Rotation (回転)
各回転方向について、✅で変位の拘束なし・ありを切り替えられます。拘束ありの場合、回転角の値はラジアン[rad]または度[°]単位で入力できます。 Displacement と同様に関数や表でも入力できます。 - External point (外部点)
変位を適用する外部点の座標を定義します。座標は領域のグローバル座標系で与えられます。 - Deformation behavior (変形動作)
このプロパティは、割り当てられたエンティティ(辺または面)が変形可能か、または剛体であると仮定するかを定義します。- Deformable に設定すると、適用されたエンティティに追加の剛性は生成されません。
- Undeformable に設定すると、エンティティは剛体として振る舞います。点とエンティティの接続は、影響を受ける節点間で相対変位を生じない多点拘束です。
- Assignment (割り当て)
リモート変位変形が適用される面またはボリュームを選択します。
| ヒント |
| Deformable を設定し、割り当てられたエンティティの節点数が大きい場合(1000以上)、 Multfront ソルバーはこの種の問題には適さないので、 Multfront の代わりに MUMPS または PETSC のいずれかを使用することをお勧めします。なお、ソルバーはシミュレーションツリーの Numerics より設定できます。 |
リモート点との接続
解析の裏では、割り当てられたエンティティの節点とリモート点は「蜘蛛の巣」要素で接続されています。前述したように、このような要素は、 Deformation behavior を Undeformable とした場合は完全に剛であり、Deformablebe とした場合はフレキシブルです。後者の場合、遠隔点はRBE3拘束によって節点に接続されます。
指定された自由度はリモート点に適用され、「蜘蛛の巣」要素を介して割り当ての要素に伝達されます。その結果、この境界条件によって、割り当てられた面は単一のエンティティとして扱われ、その動きは6自由度で記述されます。例えば、並進の自由度がゼロに設定され、1つの回転の自由度のみがフリーの場合、割り当てられた面は、その軸の周りを自由に回転することができます。
| 制限事項 |
| これは線形境界条件であるため、適用されるソリッドの領域と遠隔点自体に微小な変位と回転が生じる場合にのみ有効です。 |
適用例
Remote point 境界条件は以下の場合に使用されます。
- 1つの軸の周りの回転を自由にできる、1つの面の単純な支持
- 割り当てられた面またはボリュームのガイド付き変位または回転
Deformation behavior (変形挙動)
Deformation behavior の設定の影響による違いを確認するために、梁に変位が加わってたわんだ形状になる例を見てみましょう。
以下に、 Undeformable (変形しない場合) と Deformable (変形する場合)の変形形状を示します。前者では面は平らなままであるのに対し、後者では梁とともにたわんでいることがわかります。
また、 Deformable に設定すると応力が滑らかで従来の梁のたわみ応力分布に近いのに対して、 Undeformable とした変形不可能な挙動では応力が不連続になることも注目してください。
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最終更新日2022年10月27日