Incompressible
Incompressibleは、流体解析のための最も基本となる解析タイプで、密度の変化が無視できる場合に使用します。
図1: 非圧縮性解析で求めた構造物周辺の空気の流れ(図の建物はブルジュ・アル・アラブ)
なお、この「密度の変化が無視できる」という仮定は、速度と温度の勾配が小さいときに成り立ちます。数学的には、流速ベクトルのダイバージェンスが0の場合を指します。
SimScaleでは、簡単に非圧縮性流れの解析を実施できます。解析の設定の手順を示していきます。
Incompressibleシミュレーションの作成
Create Simulationから、解析の種類を選択できます。Incompressibleは、下図で矢印で表示されています。
図2: Create Simulation画面
解析タイプを選択して新たにシミュレーションを作成すると、以下のようにシミュレーションツリーが表示されます。次節からは、それぞれの設定項目の概要を紹介していきます。
図3: Incompressibleのシミュレーションツリー
Global Settings
シミュレーションツリーでシミュレーション名をクリックして表示される設定パネルをGlobal Setting (グローバル設定) と呼びます。Incompressibleで設定できる項目は以下の通りです。
-
Turbulence model (乱流モデル)
- 乱流モデルを選択します。利用できる乱流モデルは以下の通りです。
- LES Smagorinsky
- LES Spalart-Allmaras
- Laminar
- k-epsilon
- Realizable k-epsilon
- k-omega
- k-omega SST
- 乱流モデルを選択します。利用できる乱流モデルは以下の通りです。
-
Time dependency (時間依存性)
- Steady (定常) か Transient (非定常) を選択します。
-
Algorithm (アルゴリズム)
- 非定常解析の場合、使用するアルゴリズムを選択します。
-
Passive species (パッシブスカラーの種類)
- パッシブスカラー機能を利用して計算を行う、流れに乗る物質の数を設定します。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Geometry
解析で使用するジオメトリ(CADモデル)を選択します。
Model
Global Settingsにて以下の設定を行った場合のみ表示され、設定が必要です。
- 乱流モデルをLES SmagorinskyあるいはLES Spalart-Allmarasとした場合
- LESにおけるDelta coefficientを設定できます。
-
Passive speciesを1以上に設定した場合 (パッシブスカラーを利用する場合)
- Turb. Schmit number (乱流シュミット数)
- Diffusion coefficients (拡散係数)
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Materials
解析で使用する流体の物性を設定します。材料ライブラリから使用するものを選択してください。該当するものが標準のリストにない場合あるいは物性値を編集したい場合は、どれかひとつを選択してApplyをクリックした後に設定パネルで名前や値を編集できます。
Incompressibleでは、Viscosity model (粘性モデル) に応じたパラメータとDensity (密度) を設定できます。利用できる粘性モデルは以下の通りです。
- Newtonian
- Power law
- Herschel-Bulkley
- Cross-Power law
- Bird-Carreau
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Initial Conditions
Incompressibleでは、流体領域の圧力 (P) と速度 (U) について解きます。その他、選択した乱流モデルや設定に応じて、関連した値も計算されます。Initial condisionsでは、領域全体あるいは一部の領域 (Subdomain) についてそれらの初期値を設定できます。
定常解析においても、想定される値に近い値をInitial conditionに設定しておくことで、計算が不安定になりにくくなります。なお、SimScaleでは実際の解析を行う前にポテンシャル流れの計算を行い、初期条件を設定する機能もございます。(Simulation controlsのPotential flow initializationで利用を切り替えられます。)
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Boundary Conditions
Boundary conditions (境界条件) では、解析を行う系が周囲の環境からどのような影響を受けているかを、境界面の状態を設定することで定義します。
設定できる境界条件の詳細は、こちらのページをご確認ください。
Advanced Concepts
Advanced conceptsでは、発展的な解析条件項目の設定を行えます。Incompressibleで利用できる項目は以下の通りです。
- Rotating zones (回転領域)
- Passive scalar sources (パッシブスカラーの発生源)
-
Solid Body Motions (解析領域の剛体移動)
- 非定常解析 (グローバル設定で Time dependency を Transient とした場合) のみ利用可能です。
Numerics
Numericsでは、実際に方程式を数値的に解くにあたっての離散化スキームやソルバーの設定を行えます。これは、解析の安定性に影響します。ユーザーは全ての設定を変更できるようになっていますが、特段必要なければ、デフォルトの設定をご利用ください。
なお、SimScaleのIncompressibleでは、OpenFOAM®の独自バージョンを使用しています。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Simulation Control
シミュレーションに関する全般的な設定を行います。例えば、タイムステップや解析終了時間、使用するプロセッサのコア数を設定できます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Result Control
解析結果の追加出力項目を設定できます。下記の項目を出力するように設定できます。
- Forces and moments: 特定の面に作用する力とモーメント。
- Surface data: 特定の面における平均値・総和。
- Scalar transport: グローバル設定でパッシブスカラーを有効にしていないときのみ利用できます。パッシブスカラーの発生元となるポイントを指定して、パッシブスカラーの移動を出力できます。
- Probe points: プローブポイントを指定して値を出力。
- Field calculations: 標準の結果出力に追加して出力する分布データを設定します。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
Mesh
流体の動きを数値的に解くために、解析領域をセルと呼ばれる小さな領域にメッシュ分割します。以下のメッシュ作成アルゴリズムを使用できます。
詳細は、こちらのページの該当する項目をご確認ください。
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